【鬼滅の刃】姉ちゃんは俺が守る。弐 (ページ7)

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伍拾肆話「刀鍛冶の襲来」ページ7

夢主side

胡蝶さんの邂逅から数日後、私は任務の翌日たまたま蝶屋敷の近くを通っていた。
出禁になっている為、当たり前だが包帯とかは街に行って自分で補充しなければならない。

まぁ別にそれは構わない。
構わないんだけど…最近萌香ちゃんが刀で刺してくるから包帯の消費が物凄く増えた。
だけど幸いにも、任務の方は怪我を少なく抑えられている。
何故かというと、私の使う宵の呼吸は時透君の霞の呼吸の様に相手の目を眩ませる事に特化した呼吸だから、不意打ちを食らう事が割と少ないのだ。

前にいると思ったら、後ろにいる。
後ろにいると思ったら、今度は前にいる。
そんな戦術を駆使し、私は柱にまで上り詰める事が出来たのだ。

それもこれも、全部お館様と師範のおかげだ。

『…ん？』

しみじみと思い出を辿っていると、何だか蝶屋敷の前が騒がしい事に気付いた。
……はて？あの三人の怪我の具合からすると退院するのはもう少し後になりそうだけど…。

ひょこっと角から顔を覗かせると、そこには必死の形相で逃げ回る伊之助君とそれを追い掛けるひょっとこを被った男の人…。

『あ～……(察し)
…って、あれ？』

追い掛けてるのは鋼鐵塚さんだと思ったけど、どうやら違うようだ。
良く見ると、服装や髪型が違う。
ひょっとこを被った点は同じだけど。

『…あ、鋼鐵塚さん』

蛍「…金月か」

静か過ぎて気付かなかったが、鋼鐵塚さんがポツンと一人で立っていた。

鋼鐵塚さんは私の担当の刀鍛冶さんでは無いけど、担当の刀鍛冶さんとも交流があるので里に訪れた際はたまに会話している。
前訪れた時にたまたまみたらし団子を差し入れにしたせいか、何だか懐かれてしまった。

『…何があったんですか？
普段温厚な鉄穴森さんがあんなに怒るなんて珍しい…』

蛍「嘴平という隊士が鉄穴森から受け取った刀をいしころで故意に破損させたから、あんなに怒っている」

『…ほぉ？』

因みに良く見ると、鉄穴森さんの後ろをこれまた必死の形相で炭治郎君と善逸君が追い掛けている。

伊「！おい銀月！！助けろ！此奴やべぇんだ！」

鉄「やべぇのは貴方でしょうがぁぁあ！！」

伊「ヴァああああ！！」

伊之助君がそのままの勢いで光の速さで私の後ろに隠れる。
羽織りを掴む手はブルブルと震えていた為、相当怖かったようだ。

鉄「！金月さん…」

『……伊之助君、悪い事したんだからちゃんと謝ろうね？』

伊「ハァ"ン？何で俺様が謝らなきゃなんねぇんだよ？！俺h『ちゃんと謝ろう…ね？(威圧)』」

伊「…ハイ、ゴメンナサイ」