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捌拾玖話「列車の上、夢の鬼」 ページ47

夢主side

『…炭治郎君、分かる?』

──列車の上辺りから、鬼の嫌な気配がする。
それも、結構強い…。

炭「…!はい!列車の上から嫌な匂いが……!」

『ん、そこまで分かれば上出来だよ。
──行こう』

炭「はい!」

力強く頷く炭治郎君の頭を通り際に撫で、窓枠に足を掛け列車の上に飛び乗った。
列車の吐く煙が目に染みる。
その次に炭治郎君も無事に登って来た。

『…炭治郎君、あれ』

煙の向こう、悠然と立つその影を指さした。
チキ、と僅かに鯉口を切る。
いつでも斬りかかれる様に。

──隙なんて作るものか。

炭「……!」

魘「やぁやぁ、もう起きたのかいお二方?
まだ寝てても良かったのに」

薄ぼんやりと見える鬼の剣呑な瞳には、下弦の壱と刻まれていた。
……殺気で肌がピリピリする。
でも、何だろうこの感じ…"薄い"?

何だろう、器だけの存在で中身はスカスカな感じ……。

魘「まだ寝てても良かったのにねぇ。
二人共起きるのが早い。
今度は父親が生き返る夢と、浮気されて半狂乱になる弟の夢でも見せてやろうか?」

ぶわりと、殺意が強まる。

炭「人の心の中に土足で踏み入るな!!
俺はお前を許さない」

チキ、と鯉口を切る鋭い音が後ろに流れて行く。
その言葉に、眠り鬼が更に愉悦深そうに笑みを浮かべる。
背筋にゾクリと来る様な笑みだ。

──ふと、視界を龍が横切った。

『炭治郎君!』

まずい、怒りで動きがガタガタだ……!!
慌てて私も彼の後ろを追い掛ける。
……何でこんなに薄いのか分からないけど…これなら炭治郎君も頸を切れるかもしれない……!

【血鬼術・強制昏倒催眠の囁き】

《お眠りィィィ》

眠り鬼の手の甲にある口の様な部分から、呪詛が吐かれる。

『!』

まずい!血鬼術……!!
ほぼ勘で反射的に彼の両耳を塞いだ。
やば、意識が……。

──口の中に、血の味が広がった。

炭「雫さん?!」

『……っ』ペッ

魘(舌先を噛んで眠りに堕ちるのを防いだのか…?!
この鬼狩りの女、正気じゃない……)

んん、鉄臭い……。
咄嗟に舌先を噛んだけど…誤って噛み切ったら死ぬわよね、これ……。
……気を付け無いと。

『…不快ね、貴方の血鬼術』

魘「僕にとってはそれは褒め言葉さ」

玖拾話「凄い人」→←捌拾捌話「禰豆子ちゃん」



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きーねちゃん(プロフ) - みかんといちごさん» テンキュー!はいごみ収集車にぶちこむぜ☆オルァ! (2020年8月8日 0時) (レス) id: a598922371 (このIDを非表示/違反報告)
みかんといちご - きーねちゃんさん» はーい!ニクマン\(^-^ )ブンッ (2020年8月8日 0時) (レス) id: 085b083a26 (このIDを非表示/違反報告)
ハルサ(プロフ) - kiki11241さん» なる……予定です!(おい)すいません頑張ります! (2020年8月5日 20時) (レス) id: d6c0176894 (このIDを非表示/違反報告)
kiki11241(プロフ) - あれ本当に杏寿郎オチかな? (2020年8月5日 19時) (レス) id: 3664f0360e (このIDを非表示/違反報告)
きーねちゃん(プロフ) - みかんといちごさん» へいパース!僕今ならゴムの手袋を五万枚重ねてるんで大丈夫でーす! (2020年8月4日 22時) (レス) id: a598922371 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ハルサ | 作成日時:2020年7月9日 18時

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