【鬼滅の刃】姉ちゃんは俺が守る。弐 (ページ28)

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漆拾弐話「遭遇4」ページ28

夢主side

萌「ッ……！
何でそいつを庇うのよォ！！何で何で何で？！」

流石に怒りが爆発したのか、ドスドスと地面を踏み鳴らす萌香ちゃん。
凄い、冗談抜きで靴下に乗ってるお肉がブルンブルン揺れてる……。

炭「…庇ってなんかいませんよ。
俺達はただ貴方に"質問"してるだけです」

萌「ッ…！この……！」

萌香ちゃんが憎々しげに唇を噛む。
欲望がギラギラと灯っているその瞳は、充血さえもしていた。

刹那、低くて心地よいそれでいて凛とした声が辺りに響く。

「はいはい、そこまでだお前達」

『……！』

炭「瑞月さん…」

パンパンと、軽く手を二回叩きながら瑞月が静かに現れた。
その表情はいつものちょっとムスッとしている様な感じだが、額にはビキビキと青筋が寄っている。

炭治郎君達もそれに気付いて顔を青くさせている。
因みに善逸君と伊之助君の二人が炭治郎君の後ろに隠れてプルプルと震えているのは最早当たり前と化している気がする((

あれ、でも伊之助君があんなに怖がったのって鉄穴森さん以来……かな？とりあえずそれは置いといて…。

私に向けられている訳では無いのに、思わず全身が強張り唾を飲み込んだ。
乾いた感覚がした。
だけどそれさえも気付かないのか、味方を得たと言わんばかりにすぐさま瑞月の腕に抱き着く萌香ちゃん。

萌「ふぇぇ…瑞月君、萌なぁんも悪い事しないのに雫ちゃん達が寄ってたかって虐めるのぉ！怖いよぉ…ふぇぇん」

…………萌香ちゃん、今の言葉瑞月の顔を見てもっかい言える？←
何か既に悟りを開いてるのか(˙꒳˙)←こんな顔になってるんだけど←
凄い、瑞月が血を吐いてる幻覚が見える←

まるで水を得た魚の様に、此方に向けてべーっと舌を出している。

『！』

バサリと、耳元で羽がはためく音がして肩にほんのちょっぴり重量感を感じる。

『…！君…』

その子は、瑞月の鎹鴉の月丸ちゃんだった。
「瑞月の鎹鴉」と言いかけたが、すぐに視線で制止される。
萌香ちゃんは現在白目を剥きかけてる瑞月の腕にしがみつき全体重を掛けてるから、此方を見てはいない。

月「…我ガ主カラ、ゴ提案です。
一回シカ言ワナイカラ、良ク聞イテクレトノ事デス。
……後、ソノ場凌ギで申シ訳ナイと言ッテイマシタ」

『！…分かった、ありがとう』

ちょっぴり月丸ちゃんに嫉妬の視線を送る夜見を抑えつつ、彼女の言葉に耳を傾けた。