陸拾弐話「蒼蝶の苦悩」 ページ16
アオイside
ア「…しのぶ様、大丈夫ですか?」
キョロリと、藤色の双眼が此方を向く。
……しのぶ様は、強い人だ。
…戦線にすら立たず、喚きながら引いていった腰抜けの私とは違って。
いや、比べるのも失礼だろう。
お姉様のカナエ様の意志を継ぎ、柱にまで登り詰めたしのぶ様。
だけど、それがどうしても危うく感じてしまうのは何故だろうか。
白粉で隠してはいるものの、最近のしのぶ様は特に体調が悪いように見える。
毒の摂取もまだ続いてる為、顔色がとても青白い。
しのぶ様の絹の肌よりも白いそれに何だか心配になって、つい声をかけてしまった。
し「あら、何がですか?アオイ」
ア「…少し、お休みになられては?」
そう言うと、しのぶ様は僅かばかり目を見開いたがすぐカナエ様とそっくりの笑顔でふんわりと笑った。
ア「しのぶ様は、凄い人です。
でも、休息は必要です。
だから……」
ポスンと、頭の上に柔らかい何かを置かれ半ば強制的に言葉が遮られる。
──頭を、撫でられていた。
まるで妹を労わるような、優しい手付きで。
暖かいけど何処かひんやりとした手が、私の蒼色の蝶の髪飾りに触れる。
──蝶屋敷の住人になった暁に、この髪飾りを差し上げましょう。
貴方の蒼い瞳によく似合いますよ。
怖くて戦いに行けなくなった私に、しのぶ様は優しく接して下さった。
剣を持てなくなった私は、普通なら鬼殺隊から放り出されてもおかしくない。
だけど、そんな私にしのぶ様は働きの場を、生き方を示してくださった。
し「…貴方が気負う必要は全くありませんよ、アオイ。
私は大丈夫です、ありがとうございます」
そう言って笑うしのぶ様は、儚くて──何処か寂しげに見えた。
ア「…それとこれとは違います!」
し「強情ですね〜」
しのぶ様が過労で倒れたのは、それから二日後の事である。
◇◇◇
またもや更新開きましたすいましぇん…。
ネタが湧かないんですよこの野郎(逆ギレ)
【ここから独断と偏見で考えた自己解釈(注意!)】
さらっと言われてますが、藤毒摂取による体調不良を化粧で隠してるっていう結構SAN値がゴリゴリ削れそうなしのぶさんの設定を書いてみました。
【普通の女の子】としては既にもう蜜璃ちゃんの様に素敵な殿方を探す時期。
だけど、自分は毒漬けの女。
だからせめて自分を綺麗に見せようとそんな歪んだ形で化粧をする自分に苦しんでるしのぶさんエモい……エモくないですか?
ねぇ?(圧)
以上、作者の戯言でした。
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きーねちゃん(プロフ) - みかんといちごさん» テンキュー!はいごみ収集車にぶちこむぜ☆オルァ! (2020年8月8日 0時) (レス) id: a598922371 (このIDを非表示/違反報告)
みかんといちご - きーねちゃんさん» はーい!ニクマン\(^-^ )ブンッ (2020年8月8日 0時) (レス) id: 085b083a26 (このIDを非表示/違反報告)
ハルサ(プロフ) - kiki11241さん» なる……予定です!(おい)すいません頑張ります! (2020年8月5日 20時) (レス) id: d6c0176894 (このIDを非表示/違反報告)
kiki11241(プロフ) - あれ本当に杏寿郎オチかな? (2020年8月5日 19時) (レス) id: 3664f0360e (このIDを非表示/違反報告)
きーねちゃん(プロフ) - みかんといちごさん» へいパース!僕今ならゴムの手袋を五万枚重ねてるんで大丈夫でーす! (2020年8月4日 22時) (レス) id: a598922371 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハルサ | 作成日時:2020年7月9日 18時