陸拾陸話「懺悔の悪夢」 ページ21
※結構グ〇いので注意
◇◇◇
しのぶside
し「…此処は……」
目が覚めたら自室かと思いきや、真っ白な空間にいた。
私を助けてくれたであろう人影の姿は見当たらない。
息を呑む程、真っ白な空間だ。
それでいて不気味さを感じる。
──まるで、全方向から監視される様に。
し「!」
すんすんと啜り泣く声が聞こえた。
気配は、しなかった。
し「──ヒュッ」
バッと振り返りそれを見て──息が詰まった。
し「雫、さん…………?」
刀が七本。
彼女の身体に突き刺さり、容易く貫通していたのだ。
膝をつき、顔を覆ってフルリと背を震わせている。
まるで、小さな幼子の様に。
し「……ッ」
慄きながらも刀を凝視すると、それは他の柱達の物だった。
炎を模した刀。
荒々しい緑の刀。
桃色の可愛らしい刀(これに関しては巻き付いていたが)
鎖のついた派手な二対の刀。
蛇の様にグネリと曲がった刀。
鉄球と鎖がついた斧状の刀。
そして、極め付けには──私の細い日輪刀が彼女の細くて白い頸へと突き刺さっていたのだ。
戦いの時、頸に毒を打ち込む私の戦い方を模した様に。
『痛い、痛いよぉ…』
し「…ッ」
夢の中の筈なのに、目眩がする。
頭を抑え、グラリとよろめいた。
でも、何か不可解だ。
柱は彼女を除いて13人の筈なのに。時透君の刀と冨岡さんの刀──それと月凪さんの刀が無かった。
後は彼女に貶められた萌香さんの刀。
ポタリポタリと、血を模した黒い液体が滴り落ちた白い床(?)を彩っていく。
何だ、これは──···。
目の前の光景から、目が離せない。
思わず目を逸らしたくなる程惨い光景なのに、身体が岩のように動かないのだ。
まるで、金縛りにあったかの様に。
し「!!」
気が付くと、彼女の後ろにふよふよと萌香さんの刀が浮かんでいるのに気が付いた。
ヒュッと風切り音を立てて一直線に向かったそれは──彼女の背中へと突き刺さった。
『あ"ッ、ガァ……ッ!!』
し「──ッ」
夢の中の筈なのに。妙に現実的だった。
まるで、私を責め立てる様に。
突き刺さった拍子に体勢が崩れ、地に伏せた。
ガシャリと、突き刺さった刀達が鈍い音を立てた。
『助けて、痛い…よぉ……』
その姿が痛々しくて見てられなくて、思わず駆け寄った。
し「大丈夫ですか、雫さ…ん」
顔を上げた彼女の真っ白な瞳は──真っ黒だった。
どろりと、黒い液体が流れ出る。
『なぁんて言っても、貴方は助けてくれなかったよね?ねぇ?
"親友"なのにさぁ?』
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きーねちゃん(プロフ) - みかんといちごさん» テンキュー!はいごみ収集車にぶちこむぜ☆オルァ! (2020年8月8日 0時) (レス) id: a598922371 (このIDを非表示/違反報告)
みかんといちご - きーねちゃんさん» はーい!ニクマン\(^-^ )ブンッ (2020年8月8日 0時) (レス) id: 085b083a26 (このIDを非表示/違反報告)
ハルサ(プロフ) - kiki11241さん» なる……予定です!(おい)すいません頑張ります! (2020年8月5日 20時) (レス) id: d6c0176894 (このIDを非表示/違反報告)
kiki11241(プロフ) - あれ本当に杏寿郎オチかな? (2020年8月5日 19時) (レス) id: 3664f0360e (このIDを非表示/違反報告)
きーねちゃん(プロフ) - みかんといちごさん» へいパース!僕今ならゴムの手袋を五万枚重ねてるんで大丈夫でーす! (2020年8月4日 22時) (レス) id: a598922371 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハルサ | 作成日時:2020年7月9日 18時