検索窓
今日:12 hit、昨日:3 hit、合計:176,362 hit

鬼神 ページ27

グリムside

……本当に誰なんだゾ?この大男……。

なんか、前に彼岸が見せてくれた角と似た形の角を生やしてるんだゾ……一本だけで彼岸よりかは短いけど…。

己より遥かに大きい男に見下ろされ、思わず耳がペショ…と寝てしまう。

鬼「怖がらせてしまいましたね、すいません。
早速ですが……貴方は、彼岸とユウさんという人物を知っていますか?」

その言葉に、ピーン!と尻尾と耳が立つ。

グ「お前っ、彼岸とユウを知ってるんだゾ?!」

鬼「はい。
その為に侵入しましたから。
……離れていてください、檻を壊します」

大男にそう言われ、若干不安に思いながらも後ろの壁に背中を付ける。
ノコギリか何かで檻を壊すのかと思ったら、まさかの素手で檻をガシッと掴んだ。
そのままさっきの俺様みたいにみっともなくガシャンガシャン揺らすのかと思ったら……バキッと鈍い音を立てて、檻が"外された"。

もう一度言う、"外された"。

グ「……は?」

思わずポカーン…とみっともなく口を開けてしまう。

明らかに力がいるのに、大男の顔には赤み一つさしておらずただただ平然としていた。
超人としか言えないその大男に、どことなく宇宙を背負う心地になる。

グ「ふ、ふな……お前何者なんだゾ?
俺様はグリム……お前が言ってた…ユウの使い魔、なんだゾ」

鬼「自己紹介が遅れましたね。
──私は第一補佐官の鬼灯。
正真正銘、彼岸の兄です」

グ「……兄?」

聞き覚えのあるその単語に、ハッと息を呑む。

グ「彼岸が前言ってたんだゾっ!ずっと共にいた、大切な家族だって……!嬉しそうに話してたんだゾ!!」

鬼「それはそれは…嬉しい物ですね」

ぽてぽてと檻から出て、大男……ホウズキを見上げる。
光の灯らない鈍色の鋭い瞳が……何だか彼岸と似ている気がした。
油断した隙にヒョイッと脇に手を入れ抱き上げられ、「ふなっ?!」と暴れ回る。

だけど──視線を合わせた鈍色の瞳に、確かな怒りの炎が見えて思わずそれをジッと凝視する。

鬼「私とて、妹とその友達に手を出されて……許すはずがありません。
それは貴方も同じでしょう?グリムさん」

グ「ふ、ふな……」

で、でも今更俺様が行って役に立つのか……、

鬼「──親分は子分を助ける物なのでしょう?
早くいかないと、手遅れになる。
……まぁ、貴方が行かないのなら私は一人で行きますが」

…………!!


グ「……俺様も行くんだゾ、大切な子分を守れずして…何が親分なんだゾッ!!」

決死の覚悟→←囚われの青火猫



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (135 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
366人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ハルサ(プロフ) - 碓氷時雨さん» (・ω・(ヾ)YES!(ストーブの前で書き書き) (2020年11月4日 21時) (レス) id: 29975453d5 (このIDを非表示/違反報告)
碓氷時雨(プロフ) - うっす!(`・ω・´)ゝ(布団の中待機なう) (2020年11月4日 2時) (レス) id: 49e22a6e0b (このIDを非表示/違反報告)
ハルサ(プロフ) - 碓氷時雨さん» ありがとうございます!ですが最近冷え込んで来たので、暖めるのを忘れずに……!ヾ(・ω・`;)ノぁゎゎ (2020年11月3日 21時) (レス) id: 29975453d5 (このIDを非表示/違反報告)
碓氷時雨(プロフ) - マジっすか!全裸待機してますね!)))) (2020年11月3日 19時) (レス) id: 49e22a6e0b (このIDを非表示/違反報告)
ハルサ(プロフ) - 碓氷時雨さん» ( °ω° ;)=( ;°ω° )イエイエイエ!!(高速首振り)全然大丈夫なんですが、なんかすいませんこちらこそ……とりあえず、近いうちに制作予定なのでよろしくお願いします(´・ω・`) (2020年11月3日 15時) (レス) id: 29975453d5 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ハルサ | 作成日時:2020年10月18日 12時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。