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「あ、隊長」
「おぉ、二宮か」
運良く、隊長の部屋の前で捕まえることができた。
隊長に駆け寄り、ぺこりと一礼する。
「報告書の作成にかなり時間がかかりそうなので、先に口頭報告だけしたいんですが。お時間大丈夫でしょうか」
「と言っても、今じゃないと二宮の時間の都合がつかないんだろ。ちょっと待て、確認してくる」
「ありがとうございます」
そう言うと部屋の中へ消える隊長。
しばらく待ちぼうけだ。
ぼんやり、通る人を眺める。
雹隊の建物の中で、一番人の通りが多い廊下。
中庭を見回せる、中央回廊と呼ばれている場所だった。
ここは班ごとに割り振られている部屋がある廊下とは近い。
だからこそ、人の出入りも多いのだ。
中庭のベンチで寝ている隊員もいれば、少し若めの隊員たちは遊んでいる。
「霰隊と同じだな」
ふっと昔のことを思い出した。
思わず苦笑が漏れる。
班員になってくれないか、という大野の言葉を一蹴したのは自分だった。
それが今ではこうだ。
「何があるか分かんないもんだよなあ」
人生一期一会、とはこういうことなのだろう。
「大丈夫だ。入ってくれ」
「あ、はい！ 失礼します」
部屋に入ってドアを閉める。
「大丈夫か？」
「何がですか？」
「二宮、病院で倒れたって聞いたが」
もう話が伝わっているのか。
思わず苦笑した。
「貧血起こしただけです」
「そうか？」
少し申し訳なくなる。
困った顔をする二宮を見て、隊長は小さく笑った。
「大野にもあまり無理するな、と伝えておいてくれ。病院から報告も来ている」
「俺よりも隊長から言った方が絶対話聞きますよ」
「ウロチョロするもんだから捕まらないんだよ。大野は一体どこをあんなにうろついてるんだか」
まるでネズミ扱いだ。
大野にも申し訳ないな、と呟く隊長。
十五班のことをよく分かっていて、気にかけてくれている。
「班長会議で大野が色々言われているのは知っている。ただ特別大野だけを贔屓するわけにもいかなくて」
「それは大野も分かってますよ。大丈夫です。それで、報告書の件なんですが」
手短に今の状況と軽く現場の様子を伝えて、スピリットのことも伝えた。
「まだその暗号は読み終わってないのか？」
「はい。今櫻井が頑張ってくれてるみたいです。俺は班ごとの情報をまとめてるところでして」
「なるほど」
うーんと唸る隊長。
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芙咲子(プロフ) - 合格おめでとうございます♪うちの娘と同い年ですね（笑）ホント決まって良かった！おめでとうございます！ (2020年3月9日 16時) (
レス) id: 588e77ad1d (このIDを非表示/違反報告)
翠霞(プロフ) - 西野えみぃ☆さん» ありがとうございます！ゆっくり更新していくので待っていてください。笑 (2020年3月9日 13時) (レス) id: 89401d456b (このIDを非表示/違反報告)
西野えみぃ☆(プロフ) - 合格おめでとうございます！！同じ年だと言うことに驚きました！！小説の更新気長に心待ちにしています！！受験おつかれ様！！ (2020年3月9日 1時) (レス) id: 94d9a88e4f (このIDを非表示/違反報告)
翠霞(プロフ) - 芙咲子さん» ありがとうございます！世界観が好きという言葉、とても嬉しいです。のんびりゆっくりにはなりますが、これからも書き続けたいと思います。これからもよろしくお願いします。 (2019年12月24日 13時) (レス) id: 89401d456b (このIDを非表示/違反報告)
翠霞(プロフ) - orangeさん» ありがとうございます！いえいえ、コメントをいただけるだけでもとても嬉しいです。これからもよろしくお願いします。 (2019年12月24日 13時) (レス) id: 89401d456b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翠霞チサ
| 作成日時：2019年1月7日 16時
