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「二宮も気をつけろよ。分かっていると思うが、ここには十五班のことをよく思っていない輩も多くいる」
「それは重々承知してます」
部隊全体に流れる雹隊十五班の噂。
それが全ていいものでないのは本人たちがよく知っている。
だからこそ、本部の中なのに襲われる。
暗い顔をする二宮を見て、小さく笑った隊長。
「でも忘れるな。十五班のことが好きで、慕ってる後輩たちも多い。そういう奴らの方が多い。十五班は十五班の五人だけで戦ってるわけじゃない。味方は多くいる」
な？ と二宮の肩を叩いた。
部隊に数多くいる情報提供者、悪口を諫める隊員の声。
それはもちろん、届いている。
「分かってます」
二宮の目を見て、また笑った隊長。
「それでこそ二宮だ。一部の悪意で潰されるには惜しい班だからな。負けるな。他の四人にも伝えておいてくれ」
「はい。それじゃ、失礼します」
一礼して部屋を出て、はあとため息をついた。
「分かってんだよ」
繰り返し呟いて、建物内を歩く。
分かっているのだ。
隊長が言うことは、班員は皆嫌というほど分かっているのだ。
上の空のままで歩き、はっと気づいた時には普段は立ち入らない場所まで来ていた。
「……やべ」
慌てて周りを見回す。
何年も立ち入っていない場所だ。
どこをどうやって来たのかが分からない。
目に入ったのは「射撃場」の文字。
思わず顔が引きつる。
どう考えても、ここは自分一人だけで来る場所ではない。
戦闘員が多くいる場所だ。
非戦闘員の自分にとって、あまり来たい場所ではない。
特に、大野と櫻井が襲われたという話を聞いた後では。
「俺はどこを通ってきたんだ」
後ろを振り返ってもピンとこない。
意識的に避けて来た場所だ。
建物の地図を思い浮かべてもどこかぼやけていてはっきりしない。
連絡を取ろうとポケットに手を入れて、そこでやっと上着が自分のものではなかったことに気がついた。
通信機が入っていない。
班員でお揃いの上着、違うのはサイズだけ。
その中でも、大野と二宮の上着のサイズは全く同じだ。
どうやら、大野のものと間違えたらしい。
ポケットの中にある、自分には馴染みのない形を握りしめ、最終手段で使おうと決める。
しかし、困ったことになった。
「通信機、いつもあの人ベルトに下げてるからポケットにはないんだよな」
連絡の取りようがない。
「どうしたものかな」
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芙咲子(プロフ) - 合格おめでとうございます♪うちの娘と同い年ですね（笑）ホント決まって良かった！おめでとうございます！ (2020年3月9日 16時) (
レス) id: 588e77ad1d (このIDを非表示/違反報告)
翠霞(プロフ) - 西野えみぃ☆さん» ありがとうございます！ゆっくり更新していくので待っていてください。笑 (2020年3月9日 13時) (レス) id: 89401d456b (このIDを非表示/違反報告)
西野えみぃ☆(プロフ) - 合格おめでとうございます！！同じ年だと言うことに驚きました！！小説の更新気長に心待ちにしています！！受験おつかれ様！！ (2020年3月9日 1時) (レス) id: 94d9a88e4f (このIDを非表示/違反報告)
翠霞(プロフ) - 芙咲子さん» ありがとうございます！世界観が好きという言葉、とても嬉しいです。のんびりゆっくりにはなりますが、これからも書き続けたいと思います。これからもよろしくお願いします。 (2019年12月24日 13時) (レス) id: 89401d456b (このIDを非表示/違反報告)
翠霞(プロフ) - orangeさん» ありがとうございます！いえいえ、コメントをいただけるだけでもとても嬉しいです。これからもよろしくお願いします。 (2019年12月24日 13時) (レス) id: 89401d456b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翠霞チサ
| 作成日時：2019年1月7日 16時
