52話 ページ10
懐かしい隊服。
懐かしい、横の顔。
手に握られた弧月。
『うん、懐かしいね』
何もかも。
久遠「またその姿の君が見られて嬉しいよ」
『そっくりそのまま返してあげるよ。お帰り、久遠！』
久遠「うん、君も。周」
仮想世界。誰もいない市街地。二人の歓声。
まだ微かに残るトリオン。
「…勝者、藤雪隊」
そのアナウンスとともにあたしたちは控え室に戻る。
目を開けると、先程いた部屋だった。
『弧月、鈍ってなくて良かった』
あたしは元は弧月とレイガストを駆使して戦うスタイルが多かった。
鋼くんみたいにね。
でも電と適合してからはその戦法はできなかった。
久遠がいなかったからだと思う、多分。
久遠「僕は少し鈍ったかなあ」
『ずっと動いてなかったんだからしょうがないでしょ』
久遠「ああ、そっか。そうだったね」
こんなくだらない会話も、またできると思わなかった。
屈託なく笑っていた久遠がふと真面目顔になってあたしに問う。
久遠「彼…秀次くんはいいのかい？」
心臓を冷たい手で鷲掴みにされたようだった。
冷たいものがせり上がってくる。
久遠「彼は君を」
『知ってるよ』
『あいつはあたしを、…お姉さんと重ねてる』
『でもあたしも、あいつを久遠に重ねてた』
同じでいいと思ってた。
それで幸せだと思ってた。
あたしの幸せは、大切な親友と笑えることで。
久遠と馬鹿やってることで。
『終わらせないとね』
久遠は笑う。
久遠「君は彼に幸せにはしてもらえない」
久遠「そんな匂いがするんだよ、彼からは」
もっと沢山、幸せにできる人が、君の周りにはいるんだよ。
だからきっと君の名前は、「周」。
君の両親の渾身の愛。
久遠「大切だよ、皆君が。だから、君は幸せにならないと」
だからほら、行くんだ。
その声にあとを押されるように。
＿＿＿＿
迷走してきてる
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ツナマヨ@獄寺くんと迅さん推し(プロフ) - 凄く面白かったです！続きが気になります！オチは最近出てきてませんが迅さんが良いです！ (2016年12月21日 19時) (
レス) id: 204c382f4d (このIDを非表示/違反報告)
黒猫 - 話の内容がすごく面白いです落ちは三輪先輩がいいです（≧∇≦） (2015年10月15日 9時) (レス) id: 756d1bf51a (このIDを非表示/違反報告)
ぱる(プロフ) - エリカさん» リクエストありがとうございます！了解しました、その方向で書かせていただきますヾ(`･ω´･)ゞ (2015年10月8日 19時) (レス) id: a6fbd15247 (このIDを非表示/違反報告)
エリカ(プロフ) - 図々しくてすいません。いずみん先輩オチお願いします (2015年10月6日 22時) (携帯から) (レス) id: 4dd00af1b7 (このIDを非表示/違反報告)
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