6(K side) ページ6
記「じゃあ、北山さんは?」
自然な流れで俺に回ってきた質問に、普段は頭を使って答える俺も、ペラペラと言葉を口にしていた。
「雨……嫌いなんですよ。好きな気持ちを何度も諦めようと思った時、必ず降るのが雨で、おまけに偏頭痛もすごいし(笑)
ある日、好きな人が雨に打たれていたことがあって、その人は雨の日ってより晴れの日が似合うような人なんですけど、あの日は濡れるその子を屋根まで誘導するのも遅れてしまうくらい、見とれちゃって(笑)
一緒に帰るはずだったのに、その子そのまま帰っちゃって……あの時気の利いた言動が出来てたら……って今でも雨を見ると思います。」
藤ヶ谷の方を向くのが怖かった。だから、その後も記者さんだけを見て話を聞き仕事を終えた。
挨拶を済まし、出ていった記者さんのドアを閉める音を合図に俺は早々と自分の荷物を持つ。
藤「北や「俺、出るわ。お疲れ様。」
何か言いかけた藤ヶ谷の言葉を遮るように俺は楽屋を出る。
スタジオを出て、傘もささずに街を歩いた。
終わった時間も時間で、終電もないからタクシーを拾わなきゃいけないのに、呼び止める気力なく、ただ雨を吸って重くなる服を引きずるように歩く。
下ばかりを見て歩く俺の前を遮るように車が止まった。
ったく。あぶねーな。歩行者優先だぞ。
少しの怒りを覚え、運転席を睨みつければ見覚えのある車と、今一番会いたくない人物と目が合う。
ゴソゴソと後ろの席から何か取り出そうとしている間に、その場から立ち去ろうとするものの、車から素早く降りて俺の腕を掴む。
藤「おい、待てよ。はい、これ被って。乗れ!」
手渡されるのはタオル。
「いや、いいから、びちょ濡れで車乗るのも悪ぃし、1人で帰れる。」
精一杯の言い訳を並べて俺は拒否る。
藤「早く乗ってくんないと、俺までびちょ濡れになんだけど。」
この一言が決めてで、俺は大人しく車に乗せられた。
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りりー(プロフ) - せりさん» コメントありがとうございます!雨の作品に気づいてもらえると、私の作品を長く見ていただいてるなあと感じ嬉しくなっちゃいました(^^)また遊びに来てください! (2017年1月20日 8時) (レス) id: c45c47348e (このIDを非表示/違反報告)
りりー(プロフ) - 1632さん» お久しぶりです!コメ返ができてなかったみたいですいません(´・_・`)お互いを想い合うすれ違いは藤北にとって王道だと私も思います(笑)また遊びに来てください! (2017年1月20日 8時) (レス) id: c45c47348e (このIDを非表示/違反報告)
りりー(プロフ) - puuさん» コメントありがとうございます!私この作品のコメかえすの忘れてたみたいで(´・_・`)すいません。。湯船の告白の後、二人はどうなったか…もし私の語彙力に限界がなければまったり続き書かせてください☆彡 (2017年1月20日 8時) (レス) id: c45c47348e (このIDを非表示/違反報告)
せり - お久しぶりです!また雨作品ですね!ひとつのテーマでたくさんのお話をかけてしまうリリーさんはほんとに素晴らしいです!最後、スッキリ終わってよかったです(*´ω`*)また楽しみにしてますね! (2016年12月13日 13時) (レス) id: 62095400eb (このIDを非表示/違反報告)
1632(プロフ) - せつなすぎますーけどハッピーエンド(TT)よかったです!なんか藤北ってお互い考えすぎてすれ違ってそうですよね(笑)本当胸がぎゅーってなりました!これからも楽しみにしてます! (2016年12月10日 1時) (レス) id: 9b70ab26e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りりー | 作成日時:2016年12月7日 8時