優しいと思っていた先輩が本当はドSだった。【アミィ・キリヲ】

体調不良 ページ27

｢…あっつい…｣
暑苦しさを感じながら体を起こした。枕やシーツには大きなシミが。
｢汗でベタベタだ、なんでだろう…｣
今までの疲れが出たのだろうか、頭も多少痛いがすぐ治ると思い、首元と額を拭いてリビングへ向かった。


｢顔、青白いけど…｣
｢…あ、大丈夫大丈夫、すぐいつも通りに戻るからっ…｣
食器を片付けようと席を立ったその時、急な目眩に襲われた。テーブルを思わずぎゅっと掴む。
｢Aさん！｣
｢全、然…元気だから、心配しないでもいいよ｣
｢でも…｣
｢それに、今日調べものあるし…っ！行かなきゃ｣
今すぐ横になりたい衝動を何とか抑えて鞄を持ち、玄関を出た。先輩は居ない。

｢好都合…｣
先輩にアミィ家の事を聞いたら昔の傷を抉ってしまいそうで怖いからここに居なくて安心した。
｢急げ、アズくん達が来る前に…｣





＿＿

｢あれ、入間くん｣
Aちゃんの家に向かっている途中、入間くん達とすれ違った。彼女のことを聞くと｢既に家を出てしまった｣らしい。…いつもはもう少し遅くに出ているはずだ。

｢あと、なんだか苦しそうでした、Aさんは元気だと言ってましたけど…｣
｢そうか、ありがとなぁ｣
普段の様子を入間くんに聞こうと思ったが、彼女のことが心配なので羽を出しバビルスへ。




＿＿＿


｢…図書館は…開いてる！｣
壁伝いに図書館に来た私は家系の本を探していた。誰もいないからゆっくり調べられる。

｢…えっと…｣
朝と同じ頭の痛みと新たに吐き気がプラスされたが、ただの疲労だと思って医務室にも行かず、始業時間まで本を読んでいた。
｢もうこんな時間…！？カルエゴ先生に怒られるっ…｣
本をしまおうとした時、視界が歪み、脚立に乗っていたのでぐらりと私も倒れてしまった。目が徐々に開かなくなってきて、助けを求めようにも皆は教室だから声を出そうにも掠れ声で誰にも聞こえない。


｢…ぁう｣
そして私は、気を失った。

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