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師団部屋から先がふわふわしてそうなものを見つけ、医務室へ向かう。
「ねこじゃらし!!」
Aちゃんはベッドから急いで出て、僕の持っているものに反応を示した。
「…ふわふわぁ」
彼女が先に触った途端、尻尾と耳が消えた。
「ふぅ、楽になりました…申し訳ないです」
「気にしてへんよ、それにしても君の悪周期…特定のものを触ればすぐ戻るし、周りの悪魔みたいに凶暴化はしないんやね」
「魔力も少ないので…悪周期もそれほど変わりないといったところです」
___
「なるほど、先輩は吐血が酷くてここへ…」
「いつもの事なんやけどな、今日はいつにも増して酷くって…先生からは死ぬんじゃないかって言われたわ」
「毎日吐血していればそう思われるのも当然ですよね…」
いつの間にか胸の痛みは治まり、呼吸も正常に戻っていた。…でもこんな痛みを感じたのは初めてだ。いつも起きたら悪周期になっていてベッドは羽毛だから何も起こらないまま数秒で戻る。
「先輩の悪周期はどんなのなんですか」
「僕は常に悪周期やからなぁ、これもこれで苦労はせぇへんけど」
元祖返りは生まれた時から…家の人はどう対処したのだろう。
「授業もそろそろ終わるな、友達のとこに帰り。師団部屋でな」
「はい、ありがとうございました…」
___
師団部屋にて
アズくんとクララちゃんは又もや騒いでいる。入間くんがそれを仲裁…昨日と全く同じ風景だ。
「さ、できたよ〜!」
先輩は私の要望通り魔力を溜めるところをひし形にしてくれた。ミントグリーンは…ん?色が違う…?
「先輩、色が違いますけど…何か材料が足りなかったんですか?」
「理由は後で話すから今は付けてみて!」
先輩の押しに負け、首輪を付けた。
「…綺麗」
「そうやろ?」
これを付けていれば魔力が勝手に溜まっていき、満タンになったら残り2つのひし形に魔力が溜まる。
「これでお揃い…嬉しいなぁ」
「私もです」
入間くん達が帰ったあと、理由を教えてもらった。
なんでも「自分の髪の色と同じにしたかった」らしい。…これはいい案だ。ミントグリーンよりもこっちの方が安心する。
「先輩、練習を…」
「そうやったな、んー、肩甲骨辺りに力を込めれへんか?」
踏ん張ってみたがなかなか出ない…
「羽が出ないとなれば、あの魔術しかない!」
「へ?」
「…
先輩の魔術によって体がふわっと浮かんだ。
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アイリ - 続き楽しみにしてます! (2020年2月25日 18時) (レス) id: 9394df581f (このIDを非表示/違反報告)
アイリ - あ、ありがとうございます!面白かったです! (2020年2月25日 18時) (レス) id: 9394df581f (このIDを非表示/違反報告)
沫梨(プロフ) - アイリさん» コメありがとうございます!結婚式ですね!了解です! (2020年2月24日 20時) (レス) id: 175b7a0ad4 (このIDを非表示/違反報告)
アイリ - 夏祭り面白かったです!リクエストよろしいでしょうか?結婚式よろしくお願いします!これからも頑張ってください! (2020年2月24日 18時) (レス) id: 9394df581f (このIDを非表示/違反報告)
沫梨(プロフ) - スイカバーガチ勢野坂さん» 遅れてしまい申し訳ありません!夏祭り了解しました!!コメありがとうございます! (2020年2月20日 21時) (レス) id: 175b7a0ad4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:沫梨 | 作成日時:2020年1月5日 10時