写真家の想い人【第五人格】 (ページ9)

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第九話:民館の中で二人ページ9

｢ご、ごめんなさい白さん！！じゃあ二日後に！！｣

｢あぁ。｣

｢待てー！！今日という今日は許さねぇ！！｣

｢べーっだ！！｣

イライの横を通り過ぎ、サバイバー館へと走った。

…つもりだったんだけど。

｢…あれ、ここどこ？｣

またまた迷いました。それに見たことない館です。

｢…あ、そう言えば主が何か…｣

確か、"新しい館を設置したから暇があれば寄ってみて"と話していた。

｢これがその館なのかな？｣

周りを見渡して、何があるか確認。

｢…イスに本棚が上と下に一つずつ。大きいピアノ…弾いてみたい｣

サバイバー館にも似たようなピアノがあった。

｢…よし｣

とは言ったものの、楽譜なんて持ってないし、弾いた経験もない。使っていいのかも分かんない。

｢でも、やっぱり…｣

職業は絵師だけど、昔から音楽も聞いてたから何かあると鼻歌とか歌っちゃうんだよね。

指を鍵盤にそっと置き、目を瞑って友達が引いていた曲を想像する。

ガチャ

突然、扉が開く音がした。

｢…ん？｣

｢…こんな所におったん、ほな帰ろか｣

美智子さんだった。

｢どうしてここが？｣

｢主から聞いたんや。…早帰らんとジョゼフが心配しとる。｣

ジョゼフが…？

｢で、でも、白さんから聞いた事によればジョゼフはまだ湖景村に居るって…｣

｢今さっき帰ってきてた。物凄く暗い顔だったわ。｣

暗い顔…

｢…こういう時は会ってやった方が向こうとしても心が晴れるんやないかと私は思うわ。｣

｢…分かりました。…あ、あと外にイライ居ませんよね｣

｢おるよ。凄く焦っとった、ジョゼフもイライもAの事が心配やから探してるんと違うか？早く行ってあげた方がいいんじゃないんか？｣

やっぱり美智子さんは、優しい人だ。

｢…それと、二日後行けます？｣

｢あぁ、お茶の件やね。問題ないとは思うわ。｣

やった…！

｢…あとはジョゼフだけ？｣

｢えぇ。でも話す機会があまり無くって…｣

｢なら今からハンター館に行って話したらどうや？｣

｢良いんですか？｣

｢別にええよ。大切な友人の頼みを断れる訳ないやろ笑｣

｢…ありがとうございます！！｣

私は、こんなにも優しい友達を持っている。

恵まれてるんじゃないかと思ってしまった。