第十話:痛みの理由 ページ10
美智子さんに押され、ハンター館へと再びやって来た。
「…なんか、さっきより暗い感じ…」
そう呟いた時、目の前に人影が現れた。
「…ジョゼフ」
ジョゼフは私を見た途端、走って抱き着いてきた。
「…君は、他人を何処まで心配させれば気が済むんだい?」
「うぅぅぅ…ごめん……でもジョゼフだって、暫く湖景村に居たじゃない。こっちも心配したんだからね。」
「それは、申し訳ない。考え事をしていたんだ。」
考え事?
「何?」
「…………君に答を求めたかった。」
「…答、とは?」
俯き、ジョゼフは私の手を握った。
「…私の心は今、痛みが生じている。まるでバラバラになりそうな程。…痛い理由は分からない、が……君になら答を求めてもらえるのではないのかと思ったんだ。」
…簡潔に言うなら、ジョゼフの痛み。それの理由を私に答えて欲しい。
いやいや…私になんて分かるわけ…
ズキンッ
「…なに、これ」
胸が痛い、心臓じゃなくて、…なんて言うか、胸の辺りがズキズキして。
私が思っていることは、ジョゼフに対しての"好意"。
それで痛いんだったら…
「…分かった、私にも同じ痛みがある。」
「…同じ、だって?」
ジョゼフは驚いて、私をじっと見つめる。
「私は前から貴方に好意を持っていた、だから痛い。…正直に言うとね。私はジョゼフのことが_______大好きなんだ。」
好きを通り越した、大好き。
これは相手に愛を伝えるのには十分すぎるほどの言葉。
「………そう、か。そうだったんだね。
…私も痛みを伴っているという事は…
____どうやら、君の事が好きな様だ。」
「…っえ!?」
途端、私の手を引き、ギューっと抱きしめた。
「…ふふ、痛みがなくなったよ。これはお互いが認めたから、かな?」
きっとそうだ。
痛みが和らいでいく。
「…大好きだよ、ジョゼフ」
「私もだ。これからが楽しみで仕方がないよ。」
「…うん!」
白く光る髪が、私の横に映る。
サラサラと撫でれば、小さく声がした。
「…ん…君は撫でるのが上手だね、A」
「ありがとう、ジョゼフの髪、サラサラで気持ちいいよ。」
それに加え、耳もね!!←
「ふにゃー…」
「…Aは子猫なのかい?」
「んふふ、そうかも。」
57人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
凜ネコみゃあお??ω??本垢(プロフ) - 忙しそうっての分かってるから謝んなくても大丈夫ですよ!(´;ω;`) (2019年7月4日 8時) (レス) id: 06eba412d1 (このIDを非表示/違反報告)
沫梨(プロフ) - 凜ネコみゃあお??ω??本垢さん» コメントありがとうございます!前のコメントにお返しすることが出来なくてすみません… (2019年7月4日 5時) (レス) id: 2f8e2ebefd (このIDを非表示/違反報告)
凜ネコみゃあお??ω??本垢(プロフ) - イライもつくって!(`・ω・´)みたい! (2019年7月4日 0時) (レス) id: 06eba412d1 (このIDを非表示/違反報告)
凜ネコみゃあお??ω??本垢(プロフ) - 頑張ってください楽しみにしてます (2019年4月4日 7時) (レス) id: d2c743d3d6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:沫梨 | 作成日時:2019年3月29日 8時