鬼狩り37 ページ37
〜貴方サイド〜
とても苦しい夢を見た。
鬼舞辻が……私の両親の亡骸のそばに立ち、私を見下ろしてくる。
そして、こう言うんだ。
鬼舞辻「お前はこれから、私が“完璧”になるための贄となる」
私はふざけるなと喚き叫び、鬼舞辻を殺そうとした。だけど奴は、千々の肉片になっても死ななかった。
当然だ。鬼同士じゃ止めを刺せない。
そのまま鬼舞辻の姿は消えて____次の瞬間現れたのは、竈門家の人たち。
私が、何より幸せを祈っていた家族………。
貴方「ごめんなさい、ごめんなさいみんなッ……!!
私が守るって決めたのに!! 奴の手から守れなかった……!!」
私は彼らに延々と懺悔をする。
無駄なのに。そんなことしたって、みんなが戻ってくるわけじゃないのに。
でも、私は自分を責めずにいられない。
私の油断が、弱さが、招いたことだから____
貴方「____はッ!!」
目が覚めた時、私の視界に映ったのは見知らぬ天井だった。
その時ようやく、自分は横になっていることに気づく。
思わず上半身を起こすと、そこは寝台がずらりと並んだ部屋の中。しかし私一人しかいない。
貴方「ここどこ……? ていうか私……」
自分の意思に反して意識を失う、という本当に久しぶりすぎる経験をした。
でもなぜか、その前後の記憶があやふやだ。
私はたしか……任務を告げられて町に入って、上弦の鬼と柱の戦いに加勢しなきゃって思って……それから?
??「あ! お目覚めですか?」
記憶を掘り返していると部屋の扉が開き、誰かが部屋にはいってきた。
三つ編みの、可愛らしい女の子だ。
貴方「はい、たった今起きました。あなたはこの家の方ですか?」
私がそう訊ねると、女の子はペコリと頭を下げた。
??「ここは蝶屋敷です。私は看護を担当している高田なほといいます。よろしくお願いします」
貴方「私は神室Aです。こちらこそよろしくお願いします」
礼儀正しいなほちゃんに、私も頭を下げて挨拶をする。
蝶屋敷か……初めて見た。
柱の私邸とは聞いていたけど、自分がお世話になる時が来るとは思っていなかったな。
そんなことを思いながら、私は窓から入ってくる風を頬に感じていた。
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サリア(プロフ) - きのこさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです(´∀`*) 更新頑張ります! (2020年3月2日 11時) (レス) id: 5231526d40 (このIDを非表示/違反報告)
きのこ - この作品超好きです!!更新頑張って下さい! (2020年3月1日 23時) (レス) id: 45b1b66d37 (このIDを非表示/違反報告)
サリア(プロフ) - ふ ろ ふ き 大 根さん» コメントありがとうございます!更新頑張ります!(*´∇`*) (2020年2月28日 19時) (レス) id: 02855f94f3 (このIDを非表示/違反報告)
ふ ろ ふ き 大 根(プロフ) - ストーリーめっちゃ好きです!!続き楽しみにしてます( ・∇・)更新がんばってください!! (2020年2月28日 16時) (レス) id: cfd0445662 (このIDを非表示/違反報告)
サリア(プロフ) - りんさん» コメントありがとうございます!神作品だなんて…嬉しいです(´∀`*) 更新頑張ります! (2020年2月27日 23時) (レス) id: 02855f94f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サリア | 作成日時:2020年2月26日 15時