鬼狩り27 ページ27
〜冨岡サイド〜
冨岡「今のは……」
霹靂一閃……雷の呼吸の全型の基本。速さを誇る抜刀術。
足が重くなってもなお、あのような一撃を繰り出すことができるとは。
鎖が消えたことで、足が一気に軽くなる感覚。
ひとまず周囲にもう鬼がいないことを確認し、血を払って刀を鞘に戻す。
貴方「冨岡さん。宿に戻りましょう」
Aは静かな口調で俺に言った。
貴方「わかった気がします。さっきの鬼の言葉で……すべて」
____
西岡「おかえりなさい」
宿に戻ると、女将の女性がAを出迎えた。
西岡「食べていかなかったけれど、お腹は空いていない?
今からでも簡単なものをお作りしましょうか? そこのお連れ様にも」
女将はそう言って、ちらりと俺を見る。
Aはにっこりと微笑んで答えた。
貴方「結構ですよ。
_______どうせ食事に薬でも混ぜて、私たちを眠らせ捕食しようって魂胆でしょう?」
冨岡「……なに?」
西岡「ッ!」
Aの言葉に、女将の顔つきが変わった。優しげな表情から、まるで仮面が剥がれ落ちたように一転する。
それに構わず、Aは続けた。
貴方「私が最初にこの宿にお邪魔した時、入れてもらったお茶……あれに薬が混ざっていたことに、気づかないとでも思いましたか?
加えて、宿全体から漂う鬼の気配。
最初は、あなたが宿に鬼を住まわせ、その鬼のために“餌”となる人間を眠らせていたのかと……そう推測しました」
Aは刀を抜いて、鋒を女将に向ける。
貴方「でもふと思い出したんです。西岡さんと最初に出会った時、“西岡さん自身”から鬼の気配がしたことを。
さっき倒した2体の鬼は、話が違うとか、騙しやがったとか、そんなことを口にしていました。
あの鬼たちには取り引きする相手がいた____多分、餌となる人間に関する取り引きだ。
それはあなたなんでしょう?」
西岡「…………」
女将は何も言わない。しかし、その形相は先程とは打って変わり別人のようだった。
貴方「日中も普通に行動してるし、言動が明らかに人間そのものだし……騙されてましたよ。
大した血鬼術ですね………
“人間の皮を被り、利用する”……なんて」
冨岡「!!」
人間の皮を被る____だと!?
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サリア(プロフ) - きのこさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです(´∀`*) 更新頑張ります! (2020年3月2日 11時) (レス) id: 5231526d40 (このIDを非表示/違反報告)
きのこ - この作品超好きです!!更新頑張って下さい! (2020年3月1日 23時) (レス) id: 45b1b66d37 (このIDを非表示/違反報告)
サリア(プロフ) - ふ ろ ふ き 大 根さん» コメントありがとうございます!更新頑張ります!(*´∇`*) (2020年2月28日 19時) (レス) id: 02855f94f3 (このIDを非表示/違反報告)
ふ ろ ふ き 大 根(プロフ) - ストーリーめっちゃ好きです!!続き楽しみにしてます( ・∇・)更新がんばってください!! (2020年2月28日 16時) (レス) id: cfd0445662 (このIDを非表示/違反報告)
サリア(プロフ) - りんさん» コメントありがとうございます!神作品だなんて…嬉しいです(´∀`*) 更新頑張ります! (2020年2月27日 23時) (レス) id: 02855f94f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サリア | 作成日時:2020年2月26日 15時