結界の消滅 ページ12
〜神童side〜
結界が消えたそこは、百雷神社へと続く石階段の下だった。
人々がいつのまにかそこに倒れ伏している。
ウワサに巻き込まれて行方不明になっていた人たちだろうか。
その中には、霧野と倉間もいた。
神童「霧野！ 倉間！」
慌てて近寄り、無事かどうか確かめる。
脈はしっかりと確認できた。気絶しているだけで外傷はなく、命に別状はないようだ。
神童「……よかった」
やはり2人もウワサに巻き込まれていたのか……と思いつつ、無事であることに安堵する。
結局あの“ウワサ”の主は魔人だったのか、魔人とはまた別の敵だったのか、よくわからないままだ。
天馬は＿＿＿＿魔人とはまったくの別物だと言っていた。ただ、それを真に受けていいものかどうか。
それに剣城……あいつはどうなったんだ。ここには見当たらないが……。
浜野「おーい！」
浜野が石階段を駆け下りてくる。
浜野「なあなあ神童。さっきからわけわかんないことばっか起きてるんだけど。
魔人同士で喧嘩し始めたしさー、あれどうなってるわけ？」
神童「魔人同士？ いや、あれは……」
状況説明を求められた、その時。
突然の雄叫びが、辺り一帯に響き渡った。
ハッとして空を見上げると、輝く月を背後に騎士がこちらを見下ろしている。
浜野「あいつまだいたのか！ 倒さなきゃ！」
神童「待て浜野！ あいつは剣城なんだ！」
浜野「……え？」
ポカンとした顔で浜野が俺の方を見た時、騎士は＿＿＿＿剣城は、俺たちに向かってきたかと思うと剣を振り上げた。
神童「ッ！？」
浜野「は！？ ちょ、ちょっと待ったー！」
突然の攻撃体勢に焦った、その直後だった。
＿＿＿＿緑色の光を纏った槍が飛んできて、騎士の身体を貫いた。
それでもなお動きを止めない騎士に、さらに槍が何本も突き刺さる。
やがて騎士の形が崩れ、そこから剣城がゆっくりと落ちてくる。
神童「剣城！」
剣城の顔は元に戻っており、仮面ではなく穏やかな寝顔だった。意識を失っているらしい。
浜野「今の槍って……」
剣城を呆然と見下ろす浜野が、ぽつりと呟く。
俺も、あの攻撃が誰によるものかは気づいていた。見たことがあるから。
振り向くと、暗闇の向こうから静かな足音が近づいてくる。
浜野「狩屋……」
浜野が名前を呼ぶ。
やがて完全に姿が見えるようになった時、狩屋はにっこりと笑って＿＿＿＿
槍の鋒を、剣城へと向けた。
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サリア(プロフ) - ありがとうございます(*ﾟ▽ﾟ*) 頑張ります！ (2020年2月15日 0時) (
レス) id: 24cae498c7 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ - 続編おめでとうございます！頑張ってください (2020年2月14日 23時) (レス) id: 6f84bfc0dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サリア | 作成日時：2020年2月14日 16時
