知りすぎた ページ43
〜霧野side〜
魔人？
突然出てきた謎のワードに、俺は混乱しそうになる。
よくわからないが、神童は浜野と一緒に戦っているから普段も一緒にいるのか？
その……『魔人』とかいうやつと戦うために？
それになんだよ、共通点って。
俺が知る限り、あの2人“だけ”に共通するようなものは……無いと思うんだが。
ダメだ。聞けば聞くほど、疑問が増えていく。
もっと聞きたい。本人は話してくれないであろうことを、今この場で。
それに、Aとの関係も……
そう思った次の瞬間、俺の頭の中である言葉が蘇った。
＿＿＿＿“知りすぎたら、神社から生きて帰れない”
そう、噂の内容に含まれている一文。
欲張りな人間は『キラキラ様』の怒りを買って、神社から出ることができなくなる、と。
つまり、このまま目の前の神童に質問を続けるのは……よくないのかもしれない。
そう思った直後に、異変は起きた。
霧野「ひっ！？」
瞬きした途端、目の前の神童の顔が墨で塗り潰したかのように真っ黒になっていたのだ。
いや、もはやそれは神童ではなかった。どんどん形を変えていき、人ならざるモノへと変化していく。
あれだけ美しかった湖の水位が一気に下がり枯れ果てかと思うと、真っ暗な空間へと変化して、そこにもいくつもの橋と鳥居が出現する。
これは……なんだ！？ どうなっている！？
そうしているうちに人ならざるモノは巨大化していき、俺を見下ろしてくる。
その見た目は、絵具で描いたカラフルで巨大な馬のよう。
まさかこれが、『キラキラ様』の正体！？
［知りすぎた。アナタは知りすぎた］
［アナタの質問は3つまで。それ以上は欲張りさん。それ以上は許されナイ］
おどろおどろしい声が響き渡る。
質問は3つまで……？
凍りつく俺の目の前に、文字が浮かび上がった。
『隠し事してるよな？』
『何を隠しているんだ？ 教えてくれよ』
『最近浜野とよく一緒にいるよな？』
『ナにかリユうガアるノか？』
全部＿＿＿俺が質問した内容だ。
4つ目の文……4つ目の質問だけが、真っ赤な色に染まっている。
4つ目の質問をしたから、怒りを買ってしまったってことか！？
そんなの初耳だ！ 無茶苦茶すぎる！
でも……逃れる方法がわからない！
霧野「知りすぎると、出られなくなる……」
これも噂通りだとすれば、俺は……
一体、どうすれば……！！
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作者名：サリア | 作成日時：2020年2月6日 21時
