3 文豪グルメ 短編集【文スト】

旧双黒、芥川龍之介　ロールキャベツ【月華様Req.】 ページ36

其の一
清潔感のある見た目


「……三人の中なら、中原？太宰は包帯だらけだし」

「Aちゃん、何の話？」

「オレがどうし……ましたか」

「………………」


其のニ
協調性があり、人間関係を大事にする


「16、18でそれはない、該当者無し。……強いて云えば、中原？」

「えー、私はー？」

「……コホっ」


其の三
気配りが出来る


「太宰は無いな。芥川もない」

「………」

「なンすかAさん、先刻から」


其の四
自身の意見は主張する


「はい全員！こーゆう奴らばっかだなぁ此処は！」

「Aちゃんの暇潰しに付き合うとロクな事がなさそうだね」


其の五
仕事や趣味への拘りが強い


「中原一択」

「有難うございます。まだまだですケド」

「あれ、私は……？」

「心中は趣味じゃない」


其の六
駆け引き上手


「……芥川以外」


「けほっ…………コホ」


其の七
聞き上手


「芥川と太宰は、先ず話聞かないからなー」

「Aちゃん飽きてきてない？」


　そうして、
　時計が正午を指したのを見て。


「あー、まだ項目あるけど、はい、見事ロールキャベツ男子に選ばれたのはなんと、中原中也君です、おめでとー」

「祝いの態度じゃねェ……」

「太宰はアスパラベーコン男子ね」

「何それ」


　Aは立ち上がり、序に、今思い出したかのように。


「暇潰しに付き合ってくれて有難う。ということで」


　芥川を指差した。


「芥川は最もロールキャベツ男子から遠かったからね、お昼にロールキャベツ食べに行こう」

「「何でそうなる！」」


　他二人の声が一致した。
　やっぱり仲が良いのでは？


「……貴方の事ですから、恐らく余り意味は無いのでしょう。が、命令なら僕は従います」

「何を云う、将来可愛い後輩が出来て、芥川先輩って呼んでくれるかもしれないよ」

「不要」


　そんなAの腕に抱き着く真っ黒な幹部。


「私も行くー」


　遅れながらも裾を弱く持つ帽子の少年。


「あの……」

「君達は仕事」


　その言葉で一蹴しようと思ったが。


「オレ……其れ、食べたことねェん……です、ケド」


　そんな背の低い少年の上目遣いに、


「……今から行くロールキャベツ専門店は、トマト系からシチュー系、チーズ系まで様々です。三人で行こう」


　あたたかくなり始めた啓蟄の候、
　風の中を緩やかに、進んでいく。


「ん？……私は？」


　太宰の言葉は消え、
　雪は溶け、


　そして、彼等も――

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