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坂口安吾  焼鮭サンド ページ43

※実在の坂口安吾が、体調管理の為に自ら発明した料理と云われています。



「……さん、Aさん」

「ふゃ……?」


 内務省異能特務課のサーバールーム。
 時計が午前6時を指した頃、Aは誰かに揺り起こされた。

 目を開け、その人物へ視線を向ければ。


「安吾さん」

「貴方も残業ですか?ご苦労様です」


 そんな彼も、残っていたらしく。
 どうやら私は、ここで眠ってしまったらしい。朝なんだなあと実感する。


「私はこれから朝食を摂りに行きますが」

「マジですか、ゴチになります」

「……全く。では、ついてきてください」


 溜息をつく坂口の運転する車に乗り、辿り着いたその店のテラスで出されたのは。


「んん?」


 朝食定番の香りがするのだが。

 トーストの香りと、鮭の香り。
 が、一体となっていた。


「鮭を……パンと?」


 サンドイッチである。
 然し挟まれているのは、焼鮭。味の想像は少しばかり、どうも、見た事のないものだった。

 珈琲とフルーツヨーグルトも付き、全体的に、見た目鮮やかだが。


「ご飯に合うものはパンにも合う的な?」

「効率よく栄養が摂れれば良いと思いますよ」


 その吹き飛んだ眠気と同じ勢いで、然しあくまでも上品にかぶりつくと。


「!」


 じっくりと醤油に漬け込まれた焼鮭、共に挟まれているのは、パプリカに玉葱と、食感は抜群!

 あ、合う!


「美味しい!これは……これは朝食ですね!」


 珈琲とも、合うなあ。
 不思議!


「今日の仕事も頑張れそうですね」

「貴方少しは休んだらどうです?」

「ブーメラン!」


 おにぎりの中では鮭が一番だけど、
 パンも一番になりそうな勢い!

 バターが濃厚!


 そうして、食べ終えると。


「出勤時間までまだありますね」

「じゃあのんびりしま安吾さんパソコン開かない開かない、のんびり中にお仕事しない!」

「…………」


 少し訝しげな彼。
 パタンとパソコンを閉じた。


 そして、ふうと背をもたれ、目を閉じる。どうやらまた、眠るらしい。


「起こしてあげますね」

「絶対ですよ。ちゃんと其処に、いてください」


 眼鏡を外し、お手拭きを顔にのせ、


 そして、寝息を立て始めた。
 朝の優しい風が吹く。


“ちゃんと其処に、いてください”


 ふふ、と。
 じんわりとする心を、感じながら。


 二人だけしか居ない様な、そのテラスで。


 Aは笑い、まだ温かい珈琲を、一口飲んだ。

条野採菊  お焼き→←フョードル・D&N・ゴーゴリ ボルシチ【花丸様Req.】



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設定タグ:文豪ストレイドッグス , 短編集 , 甘い   
作品ジャンル:アニメ
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(プロフ) - 体の90%がラムネさん» 体の90%がラムネ様、ご感想ありがとうございます!また三期でお待ちしております、宜しくお願い致します!更新頑張ってください! (2019年12月21日 23時) (レス) id: b0368434d0 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 闇川幽鬼さん» 闇川幽鬼様、単品で織田作登場です!ありがとうございます! (2019年12月21日 23時) (レス) id: b0368434d0 (このIDを非表示/違反報告)
体の90%がラムネ - 初コメです!めっちゃ良きでした!!突然ですが、リクエストしたいですが…。ダメでしたね。すいません!また募集している時にいきます!更新待ってます!(自分も更新しろよと思う今日この頃) (2019年12月21日 13時) (レス) id: 8dd45af6f4 (このIDを非表示/違反報告)
闇川幽鬼 - 作之助様登場!!(*゚∀゚*)嬉しいです!(*^_^*) (2019年12月21日 0時) (レス) id: 56867ea8da (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 月瀬さん» 月瀬様、リクエストありがとうございます!只今からのリクエストは無効とします。ゆっくりで申し訳ありませんが、宜しくお願い致します! (2019年12月15日 11時) (レス) id: b0368434d0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年8月25日 17時

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