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35 想い ページ35

「…………んあ?」


 微睡みから、起きた。


 推理小説についての駄目出し等を悶々と考えていると、俺は何時の間にか眠ってしまっていたようで、既に施術は終了していた。


 然し気の所為か、先刻よりも体は重かった。


「すー……ぅ」


 何か、彼女が上で、寝ていた。


「…………」

「……ん……」

「おい」

「…………」

「君」

「………………」

「いや起きんか!」

「ぴゃっ」


 起きた。


 徐ろに仰向けになると、胸の所に目覚めたばかりの彼女がいる。


「おはよーございまーす」


 とろんとした瞳で、ふわふわしているAの温もりと鼓動が伝わってきて、


 見つめ合い、


 瞬きが揃い、


 彼女の伸ばした人差し指が彼の頬を突ついた。


「ひゃめんか」


 Aは只々笑み、


「せんせー、あのね」


 彼は、その手を取り、
 自らの指を絡ませてーーーー











 朝。
 光はカーテンで遮られ、今が何時か分からない何時もの朝。


 隣を見ると彼女が寝息を立てていた。


 Aより先に目覚めたのは初めてで、
 嗚呼、清々しい……今日は好い日だ。





「おいA、朝だぞ」





 Aは起きない。





「A……貴様、家政婦とあろう者が斯様な為体では」




 Aは、起きない。
 体を優しく揺らした。




「おいA……朝、だぞ……なあ」




 Aは、




 起きなかった。

36 花→←34 微睡み



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(プロフ) - 尤莉さん» 尤莉様、素晴らしいご感想ありがとうございます! 虫クン何しても愛おしいですよね〜! 更新頑張りますので、応援宜しくお願い致します! (2023年4月25日 22時) (レス) id: 26aa10f063 (このIDを非表示/違反報告)
尤莉(プロフ) - 文章も丁寧で読みやすくて、すごく面白いです…!虫クンの反応が可愛くて仕方がないです…こんな作品を書ける午様を尊敬します…!更新頑張ってください、応援しています…! (2023年4月25日 21時) (レス) id: fc1333ebd7 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - うえむらせさん» うえむらせ様、ご感想ありがとうございました! 虫クンの小説が増えるといいですね〜! 更新は頑張ります! 応援宜しくお願い致します! (2023年4月6日 22時) (レス) id: 26aa10f063 (このIDを非表示/違反報告)
うえむらせ - はじめまして!最近虫くんにハマっているのですが、虫くんの小説が少ないので毎回更新を楽しみにさせていただいております。これからも応援しているので、更新頑張ってくださると嬉しいです! (2023年4月6日 22時) (レス) @page23 id: ec28fead31 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - セプンイレプンいい気分〜さん» セプンイレプンいい気分〜様、ご感想ありがとうございました! 虫クンの布教活動と同じ位面白くして行けるように頑張ります! 応援ありがとうございます〜! (2023年2月8日 21時) (レス) id: 0e7339a9e9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2022年12月28日 23時

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