15 ミステーリアス ページ15
「……分かった。Aさん、その異能を主は知っているのか?」
「多分存じ上げないかとー。お伝えしてはいませんので」
「…………」
恐らくこの少女は歳下ではあるが、とりあえずそう呼ぶ事にする。
「異能について、他者への吹聴は勧めない。細心の注意を払い給え」
「はえー、そうなんですね。分かりました」
こう警戒心が無くて、今までよくヨコハマで生きてこれたものだな。
また溜息を吐いてしまう。
「とりあえずーーーーよろしく頼む」
「はい、本日はようこそお出てくださいました。何か御用はありますかー?」
まあお互い、此処から出る事も早々無いだろう。
「……神秘学と古代錬金術の本が見たい」
「はーい」
あら、一寸だけ紙魚目さんな感じ。
頬を赤らめ、少女は返事する。
一体何がそんなに嬉しいのか。
「本は読めませんが、書庫の本の場所なら分かります。主様がちゃんと分類分けしているみたいですので、日本語の棚にご案内致しますねー」
「結構」
だろうな。
各部屋にこれでもかと堆く積まれた推理小説は、恐らく彼女が用意したものだろう。
見た所一冊も他領域の本が無い所を見ると、
記憶力と併せて信憑性は上がる。
「あの」
それでは部屋を出ようか、
そんな雰囲気になったその時。
Aは云った。
「…………?」
小栗が視線を向け、
そして透き通る様な声で、彼女は続けた。
「私に文字を、教えてくださいませんか?」
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午(プロフ) - 尤莉さん» 尤莉様、素晴らしいご感想ありがとうございます! 虫クン何しても愛おしいですよね〜! 更新頑張りますので、応援宜しくお願い致します! (2023年4月25日 22時) (レス) id: 26aa10f063 (このIDを非表示/違反報告)
尤莉(プロフ) - 文章も丁寧で読みやすくて、すごく面白いです…!虫クンの反応が可愛くて仕方がないです…こんな作品を書ける午様を尊敬します…!更新頑張ってください、応援しています…! (2023年4月25日 21時) (レス) id: fc1333ebd7 (このIDを非表示/違反報告)
午(プロフ) - うえむらせさん» うえむらせ様、ご感想ありがとうございました! 虫クンの小説が増えるといいですね〜! 更新は頑張ります! 応援宜しくお願い致します! (2023年4月6日 22時) (レス) id: 26aa10f063 (このIDを非表示/違反報告)
うえむらせ - はじめまして!最近虫くんにハマっているのですが、虫くんの小説が少ないので毎回更新を楽しみにさせていただいております。これからも応援しているので、更新頑張ってくださると嬉しいです! (2023年4月6日 22時) (レス) @page23 id: ec28fead31 (このIDを非表示/違反報告)
午(プロフ) - セプンイレプンいい気分〜さん» セプンイレプンいい気分〜様、ご感想ありがとうございました! 虫クンの布教活動と同じ位面白くして行けるように頑張ります! 応援ありがとうございます〜! (2023年2月8日 21時) (レス) id: 0e7339a9e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:午 | 作成日時:2022年12月28日 23時