織田作之助と真っ白な頁の波に漂う【文スト】

37　アンチテーゼ ページ37

十四の時、小説家になりました。


　学校に通いながら、周りに内緒で、親と仲の良い友人だけが知ってて、

　凄いんですよ、普通そこからバレる筈なのに口が固かったです、その親や親友は。もう何年も会ってませんけど。


　まあ当時何となく盛り上がってましたね、十代でしたし。


　私は湧き上がる物語をどんどん小説化して行った訳ですが、
　大体ドラマ化とか漫画化とか舞台化とか映画化とかコラボとか、有難い事に色々してったんで、それはそれは愉快でしたよ。


　若かったなぁ。


　まあ問題を起こさず炎上もせず、慎ましやかに頑張りましたよ。


　で、最近ね。


　最近と言っても二年前ですけど。
　そうですね、龍頭抗争の後くらいです。


　調子に乗って、久し振りに三部作ものを書いたんですね。

　こんな言い方したら他の小説家さんに失礼だと思うのであれですが、まあ、謙虚にさせてくださいよ。


　担当者だけならず編集部も世の中もお祭り騒ぎでしたね。


　上・中・下巻、全て大ヒットでしたから。


　勿論悪口や批判・批評もいつもより沢山頂きましたが、そこは2:6:2の法則でですね、どんな物にだってアンチはいるんです。

　逆に、アンチがはっきりある物は、人気で有名な証拠なのですよ。


　私は今まで通り、


　面白かったり
　怖かったり
　楽しかったり
　感動したり、


　胸が弾むような、
　血の気が引くような、
　目の前がキラキラと輝くような、
　海に沈んで行きたくなるような、
　過去を振り返りたくなるような、
　未来が明るくなるような、


　色んな書きたい物語を、


　夢や願いを綴っていったに、
　過ぎなかったのです。

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