ビリってより罠罠 (ページ10)

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次の日、バイトが終わって拓弥くんと二人で帰っていた。

いつもの様に話しながら歩いていると、拓弥くんがふと足を止めて。

拓『昨日言ってた話なんだけど』

私も足を止めた。

拓『こんなこと言って、今更どうにかできるとも思ってないし、Aとは変わらず友達でいたい。それを知った上で、聞いてほしいんだけど』

「うん」

なんとなく、これは真剣な話で、目の前の拓弥くんは真っ直ぐ私を見ていた。

拓『本当は昨日、文化祭の時に言おうと思ってた。けど、マフラーを見て...』

「マフラー？」

マフラーを付けてたのは、私じゃなくて、稜雅くんだ。

拓『ごめん、A......』

「えっ、.....」

突然、拓弥くんに抱きしめられた。

拓『Aのこと好きになった。』

待って、どういうこと？

拓弥くんが、私を好き...？

いきなりの事で動けずにいると、拓弥くんはぎゅっと力を込めた。

こういう時、どう答えたらいいんだろう...

『A......？』

拓弥くんとは違う声が聞こえて、咄嗟に離れて振り返ると、

「.....っ稜雅くん」

どうして...？

なんでここに...？