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最近、稜雅くんと会うことも、まめにしてた連絡も、放課後になると全然出来なくなっていた。
お互い忙しいし、文化祭が終わるまで。
そう言い聞かせて、我慢しようと思ってたけど...
会えないと寂しいもので、自分でも元気がないことくらい分かる。
学校が終わって家に帰り、ソファに横になる。
いつも三人で食べてたお昼も、放課後にサボってばっかの稜雅くんはお昼の時間にクラスの子に連行されることが多い。
海くんと二人が楽しくないわけじゃない。
でも、寂しい顔をする私に気を使って、たくさん話してくれたりすると、申し訳なく感じる。
やっぱり、できるだけ一緒に居たいって思う。
稜雅くんも大変だからって気を使っていたけど。
彼女だからワガママを言ってもいいかな...。
稜雅くんとのトーク画面を開いて、通話を押す。
呼び出し音が聞こえて、
『もしもし?』
大好きな声を聞いてホッとする。
「稜雅くん、」
めんどくさい彼女でごめんね?
『A?どうした?』
電話する前は溢れ出しそうになってた言葉が、いざ言うとなるとできない。
やっぱり、嫌われるのが怖くて遠慮してしまう自分がいる。
何も話さない私に、
『あと10分、』
「え、?」
『素直に会いたいって言ってくれれば、もっと早くに会いに行ってたのに。』
「うんっ」
馬鹿だから、言えずに我慢してたんだよ...。
『すぐ行く』
やっぱり、稜雅くんはとびっきり優しい自慢の彼氏。
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作者名:ガリガリヤンキー | 作成日時:2019年4月13日 0時