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Ryoga side .
二人で帰っていた道が、静かに感じる。
歩いていた足を止め、Aの家のインターフォンを鳴らした。
Aは出てこなかった...。
部屋も暗く、もしかしたら、拓弥ってやつの所にいるのかも...
携帯を開き、Aとのトーク画面を見た。
俺が送った文に、既読の文字だけが付いて終わっていた。
この文を見た時、Aはどう思ったんだろう。
一人になることが嫌いで、寂しいって言っていたから、できるだけ一緒に居ようって決めてたのに。
今さら、自分の行動全てが情けなくなる。
本当に、拓弥ってやつの所に行ってしまっても、怒る資格なんてない。
また、同じことの繰り返しで馬鹿みたいだ...
『ただいま...』
玄関を開けると、家族の靴と、もう一つ見覚えのある靴が置いてあった。
急いで靴を脱いでリビングに行くと、
稜母『おかえり。部屋で待っててくれてるわ。』
家にいなかったのはそういう事か。
階段を上がって部屋のドアを開けた。
ベッドの下に座り、待ちくたびれて寝ているAが居た。
一週間ぶりに見た寝顔に安心と、ごめんなって気持ちで胸が締め付けられる。
頬には泣いた跡があった。
涙の跡に触れると、
「...りょうが、くん......?」
目を開けたAは、俺を見るなり、また涙がこぼれた。
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作者名:ガリガリヤンキー | 作成日時:2019年4月13日 0時