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桜『それとね、紗弓ちゃんはよく笑う印象だったのが、お店に来てすぐのこと、三年前くらいかな。泣いていてね。理由を聞いても、大切な人を傷付けたと、それだけしか言ってくれなかった。僕も妻を亡くして、何かを失う辛さが痛いほど分かったからね...』









三年前...



きっと、俺たちが別れた時だ...









桜『幼馴染みの君なら、弓ちゃんを元気にしてあげられるんじゃないかと思ってね』









きっと、桜田さんはなにも知らない。




知ってるのは、紗弓が傷ついて、今もそれを気にしていることだけ。








別れてしらばらくして、二人で話した時は、そんな素振り見せていなかった。





ただ、『ごめんね』ってそればかりで。






俺の前で泣くことも無かった。









もし、あの日から、紗弓の時計の針は止まったままだったとしたら。






戻すことの出来ない針を、直して、進めることはできる。






たとえ、同じ時を進めないとしても。









もう、悔いのある生き方はしたくない。




紗弓にも前を進んで欲しい。




俺には、今、大切な人が居て、そう思える人と一緒に居る、幸せを知っている。




紗弓にもいつか分かる日が来る。









『ここで、働かせてください』









この選択が正しかったのかも分からないまま...

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作者名:ガリガリヤンキー | 作成日時:2019年4月13日 0時

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