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稜雅くんが歩いて行った方まで走った。
「稜雅くん!」
大きな声で呼んでも、振り返ってくれない。
「待って!」
話を聞いて欲しくて掴んだ手が行き場を無くす。
初めて拒まれた。
いつも、私の話を沢山聞いてくれるのに。
「稜雅くん誤解なの。さっきのは、」
『聞きたくない』
「でもっ、」
『ごめん。今は何も聞きたくない...』
初めて稜雅くんを傷つけた。
心が苦しくて、言葉が出てこない。
帰って行ってしまう稜雅くんを、もう一度引き止めることができなかった。
私が泣いちゃいけないことはわかってるのに、稜雅くんに話を聞いてもらえなかったこと、胸が張り裂けるように痛い。
こんな辛いこと、初めてだった。
その日、稜雅くんから
稜 [ 明日は一人で行って。ごめん。]
そう連絡がきた時は、涙が止まらなくて。
私が好きなのは稜雅くんだけだって、ちゃんと伝えたい。
拓弥くんとも、こうなりたくなかった...
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作者名:ガリガリヤンキー | 作成日時:2019年4月13日 0時