【コラボ】傷を癒すために【歌い手】

近づけない〜女主視点〜 ページ7

空君の携帯から聞こえてきたのは女の人の声


なんだか…




――――空君の顔が優しい気がするのは…私だけ、なのかな？


ぽけーとくだらないことを考えながらも耳を傾ける




が、聞こえない


きっと大事なことを話しているんだろうけど……聞こえない
き、気になる…



時々微かに聞こえるのは…

何処かナノ君に似た声と話し方


――相変わらず落ち着く声をしている



そして不意に聞こえた声

「――柚子ちゃんには謝らないといけないわ」

『え！？私？』
この人が私に謝る？

あ、この人はナノ君のお母さんか…



少し耳を携帯に近づける

「―――アメリカであなたの両親が発見されたの
もう…」


私の両親はもう…―――？

え、ちょっと待って
アメリカ？

え……えぇ？

わかんない


でもこの言い方は―――死んだ、てことだよね…？




『か、歌詞君どういうこのなのかな…？』
「え、俺に聞かれても…」
『…そうだよね』

私の距離で聞こえなかったんだから歌詞君が聞こえるわけがない



なら、近づけばいいことなんだが


これ以上は無理だ
足が動かない

まるで行くなとでも言うように

自分の体が自分のものでないような感覚



『――まぁ…説明してもらえばいいか…』

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