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『…ん』
パチッと目を覚ませば、真っ白の天井に若干暗い部屋。
『…ほけん、しつ』
「そ」
「え」と思って隣を見るとそこには三ツ谷くんが立っていた。
『み、三ツ谷くん…!』
思わず起き上がろうとしたらまたフラッとなってしまってそれは叶わず。
『っ…』
「落ち着け、まだ寝てろ」
ようやく自分の状況を理解した。
私、多分風邪ひいてる。
体も内側から熱くて、怠い。それと少し吐き気も。
「体育の時間に倒れて、今放課後」
そう言いながら三ツ谷くんは座る。
『…そうなんだ』
「まだ怠いか?」
『…けっこう』
「そうか」
「とりあえずまだ寝とけ」と言われて頭を撫でられた。
先生呼ばなきゃとか、そろそろ帰らなきゃとか、なんでここにいるのとか言いたいこととか聞きたいことがたくさんあるのに、私はそのまま再び眠りに落ちてしまった。
.
「豆原さーん、お母さんが迎えに来たよ」
『…ん』
再び目を開けると、保健室の先生が私の顔を覗いていた。
『あれ…』
「A〜、帰るわよ」
『まま…』
その後ろから仕事終わりであろうママの姿が。
「熱はだいぶ下がったみたいですけど、明日は休ませたほうがいいです」
「わかりました。すみません、ご迷惑をおかしました」
そんな2人の会話に耳を傾けながら外を見ると既に日は暮れて夜になっていた。
あれ、今何時だろ…というか、三ツ谷くんは…。
『三ツ谷くんは?』
「三ツ谷くん?」
思わず目の前にいるママに質問する感じになってしまったが、すぐに先生が「ああ、三ツ谷くんならもう帰らせたわよ」と答えて少し落ち込む。
なんとなく、顔が見たかった。
「元気そうで良かったわ。車乗って来たから帰りましょ」
『うん』
中学生にもなってお迎えとか恥ずかしい。
とりあえず上履きを履いて保健室を後にしようとした。
「あ、豆原さん。三ツ谷くんにお礼言っておきなさいね〜」
『え?』
「三ツ谷くんがここまで運んで来てくれて、お昼休みも放課後も顔出してくれたのよ」
『…そうなんですね』
なにそれ、すごく嬉しい。
私、ニヤニヤしてないかな。顔赤くなってないかな。
まあ、でも風邪のせいにできるし。
まだ額に貼ってある冷えピタをギュッと手で押し当てて熱を覚ました。
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水原カノ(プロフ) - 釉夢さん» えー!ありがとうございます!(*^^*)がんばりますっ! (2021年9月18日 15時) (レス) id: e0da8650d9 (このIDを非表示/違反報告)
釉夢(プロフ) - じゅ じゅつの作品から飛んできました! 夢主ちゃん天然でかわいいですね!投稿頑張ってください! (2021年9月16日 22時) (レス) id: 04e2962a49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:水原カノ | 作成日時:2021年9月16日 21時