願い事 ページ10
その願い事を聞いたAはバッと顔を上げた。
そんなちっぽけな願い事でいいのかと言いたげな顔。
シャル「ははっ、まずは様子見だよ。
あと、Aがあのココア気に入ったみたいだからね。」
そう言うと彼女は頬を緩ませた。
何度見ても可愛いと思ってしまう。
すると、彼女は胸の前で合掌し始めた。
しばらくして彼女の両手から出た光が辺りを包み込んだ。
あまりの眩しさに目を瞑ると、数秒後光は収まっていった。
ゆっくり目を開けると目の前にはあのココアが。
シャル「うわぁ、本当に出てきた。
すごいね。ありがとう、A。」
そう笑顔で告げると彼女は嬉しそうに笑った。
シャル「ねぇ、このこと他の皆の前で言える?
俺から話すよりもAから話した方がいいと思うんだ。」
無茶なお願いだと分かりつつも、彼女は静かに首を縦に振る。
シャル「ありがとう、それじゃあ行こうか。」
と、手を差し伸べる。
彼女はそっと俺の手に自身の手を重ねた。
そんな壊れてしまいそうな小さな手を優しく握り、広間に向かう。
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作者名:きなこもち | 作成日時:2021年4月16日 17時