俺と同じ翡翠色【シャルナーク】 (ページ9)

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初めての声ページ9

すると、消え入りそうな小さな声と同時に身体の重心が少しだけ後ろに傾いた。

Aが俺の服を引っ張っていると認識するにはそう時間はかからなかった。

初めて聞いた可愛らしい声に俺の鼓動は少しずつ速くなる。

それでも冷静さを何とか保ち、身体を彼女の方に向き直る。

ｼｬﾙ「どうしたの？A。」

彼女と視線の高さを揃えてそう聞いた。

彼女は俯くと小さな声でこう答える。

『……だいしょうはいえませんが、ねがいごとかなえます。』

俺は驚いたそこまで心を許してくれていたのだと。

それと同時に嬉しくもあった。

てか、声可愛すぎでしょ←

でも代償が教えられないとはどういう事だろう。

代償が降りかかると分かっておきながら願い事をするほど俺はバカではない。

でも彼女が俺に代償を負わせようとしているとは到底思えない。

心優しい彼女がそんなことするはずないと分かっていたからだ。

ということは代償は彼女自身が受けるということ。

さらにこの言い方から察すると、代償はそれほど大きくないと見た。

ｼｬﾙ「本当に願い事叶えてくれるの？」

『……はい…。』

俯きながらそう答えた彼女の声は震えていた。

これから分かるのは願い事の大きさによって代償の大きさも変わってくるということ。

今分かったのはざっとこんなもんか。

ｼｬﾙ「じゃあさ、さっきAに飲ませたココアをもう一つ出してくれないかな？」