16.掴まれた先 ページ16
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突然立ち上がって私の隣に座った山田くん。
それだけでもすごくドキドキしてしまうのに
『ただ好きなだけじゃ、ダメ?』
甘く囁くようにそう言いながら 私の前髪をさらりとかきあげるから
ほんの少し触れただけのおでこは熱くて今にも蕩けてしまいそうだし
呼吸の仕方すら分からなくなってどんどん苦しくなってしまう。
にっこり微笑んだままの山田くんだけど 私は何も言えなくて
それはきっとほんの一瞬なんだろうけどすごく長い時間そうしてた気がして
どうしよう…そう思った瞬間
山田「やっべぇ!超ドキドキする(笑)」
そう言って両手で頭を抱え込むようにして俯いた山田くん。
ドキドキするって…山田くんもドキドキしてるの?
からかってるだけなんじゃ、ないの?
A「……山田…くん…?」
頭を抱え込んだまま「あ〜///」って言ってる山田くんが可愛くて
そっと手を伸ばしその頭に触れようとしたら
抱え込んだ両手の隙間からちらりと私を見上げたから
思わずパッと手を引っ込めてしまった。
でも、それより先に私の手は山田くんに掴まれていて
掴まれてるのは手首なのにまるで心臓でも掴まれたんじゃないかってくらいにぎゅうぅっと苦しくなって
真っ直ぐに私を見つめる瞳から目を逸らす事が出来ない。
A「あの…山田…くん…?」
何も言わない山田くんにやっとの事でそう言うけど
手首を掴んでじっと見つめたままの山田くんは何も言わない。
どこまでも深いブラックの瞳がほんの少しだけ潤んでて
まるで綺麗な宝石みたい…そんな事を思っていたら
山田「俺のお姫様はAさんだよ。」
やっと口を開いた山田くんが静かにそう言った。
A「……え?」
山田「Aさんが言ったんだよ。『王子様は一般人じゃなくてお姫様を探せばいいのよ』って。
俺が王子なら、お姫様はAさんしかいないよ。」
いつものニコニコ顔じゃなくて 見た事もないような男らしい顔をして
ほんの少しだけ見上げるようにしながらそんな事を言われたら
もう何も言えなくなっちゃうよ…。
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えこる(プロフ) - ななそんさん» ななそんさん♪別グループって・・・もしかして嵐でもJUMPでもないってことですか・・・?それなのに私のお話を見つけて読んで下さって、ほんとにありがとうございます。ちょとずつですがパスも解除しますのでこれからもどうぞよろしくお願いします。 (2018年7月8日 21時) (レス) id: e6799d20af (このIDを非表示/違反報告)
ななそん(プロフ) - 別グループのファンでえこるさんの書かれるお話が好きで読んでいたのですが、こちらのグループのお話も一気に読んでしまうぐらいドキドキキュンキュンしてしまいました♪続きはまだ公開されていないんですね(T_T)気長に待ってます♪ (2018年7月7日 11時) (レス) id: 121aa162df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:えこる
作成日時:2017年1月12日 11時