１０話 ページ11
「まったく、モブリットは失礼だなぁ。」
ハンジさんはモブリットさんを見送り、ばっと私を見た。
「ねえねえ、リヴァイはどうだった？気持ち良かった？」
「モブリットさーん、来てくださーい」
「わっ、A！今のは・・・空耳だよ！」
「そうですか？」
調子いいんだから、もう。
「で、ハンジさん。分隊長って何するんですか？」
「えっとね・・・あっ、壁外調査の時、エルヴィ・・・団長の後ろに付いていくの！」
「しっかりしてください。」
「いや、だって団長の後ろってすごくいい地位だと思わないかい？」
「兵長の方が地位は上ですよ？」
「むぅー」
ハンジさんは頬を膨らませ、まあいいや、と言って歩き出す。
広い廊下にハンジさんの声が響く。
「Aはさ、分隊長って、やってみたい？」
「え？どうしたんですか、急に。」
「いいから。」
「そうですね・・・フィフティフィフティですかね。」
「そっか。じゃあ、普通の兵士の方がいい？」
「いえ、それもフィフティフィフティです。特に地位なんて関係ないので。」
「Aはさっぱりした子だね。」
ハハハ、とハンジさんが笑う。
「まあ、私もそうだけど！」
「ハンジ、A。」
ん？
この声は・・・
「リヴァイ！」
ばっ
私は思いっきり目をそらす。
恥ずかしくって直視できない・・・。
「え、あっ、そっか、じゃあね、二人とも！」
ハンジさんが・・・
逃走したぞおい。
ＫＹなのか、違うのか。
まあ、兵長と二人きりということに間違いはないのだけど。
「A。」
「はいっ！」
反射的に、昨夜のことを思い出す。
もうもうもうっ！
「エルヴィンが呼んでいた。団長室に来い、と。」
「は、はいっ！し、失礼します！」
私は真っ赤になって兵長の横を通り過ぎる。
が・・・
「待て。」
手首を掴まれる。
白くて細い、綺麗な指・・・。
「そんなに緊張したら余計にばれるんじゃねえか？」
「うっ・・・」
「平常心を保て。・・・本音を言うと、俺もやっちまったと思っている。悪かったな。俺だって今、少々緊張している。お互い様だろ。」
いつもクールで皆の憧れの存在の兵長が私に少し心を開いてくれた。
そのことが嬉しかった。
心の底から嬉しかった。
兵長は私に、心を開いてくれたんですか？
そう、問いかけたかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 70人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
my - ・・・・・・・は (2015年1月26日 10時) (
レス) id: e061749af1 (このIDを非表示/違反報告)
Otohana(プロフ) - 2番でお願いしまーす！ (2015年1月21日 17時) (レス) id: 83b0482831 (このIDを非表示/違反報告)
聖(プロフ) - １がいいです(^-^)v頑張ってください(p^-^)p (2015年1月20日 21時) (レス) id: a5be54c4d3 (このIDを非表示/違反報告)
理緒乃 - 期待を裏切ってしまい、申し訳ないです。でも、こんなにも多くの方がアンケートに答えてくださり、嬉しかったです。こんなバカでアホな駄作者ですが、よろしくです。 (2015年1月19日 19時) (レス) id: 83a9fb9ed0 (このIDを非表示/違反報告)
ＣＨＩＬＡＬＯ - １キターーーーーーーーーーーーーー (2015年1月18日 23時) (レス) id: eec38d3fd9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
