◆◆18◆◆ ページ18
もう、何度同じ道を歩いたかわからない程、
この景色も、この街並も。
全てが今の俺には当たり前になっとったけど。
それも今日で終わらせる。
夏樹を傷つけて、二度と歩けんくしたのは俺やし、責任取らなあかん、ってのも重々承知しとる。
でも、ここであいつを本当に手放してもうたら、俺きっと一生後悔する。
それくらい、好きやねん。
命に変えてでも、守りたい。
コンコン、と軽くノックをして、何時ものように返事が聞こえてから部屋へと踏み入れる。
丈「……………夏樹、」
夏「あ、丈ちゃん
今日は早いんやね」
本を読んでいた夏樹が顔を上げて、笑顔で俺を見据える。
丈「話さなあかんことがあんねん」
チラッと、夏樹の顔色を伺うと、一瞬だけ。ほんの一瞬やったけど、
不安そうな表情を浮かべた。
夏「そ、っか
あ、座って？」
でも直ぐに笑顔に戻って。
俺をいつもの定位置へ座るように促す。
夏「…………で、何？話って」
何から話そうか、俺が迷っていると、意外にも夏樹が先に口を開いた。
ま、大体予想つくけど、って乾いた笑いで誤魔化すように目を伏せた。
丈「俺、もう夏樹の側に居れん、
ほんまごめん」
俺が東京に彼女が居ることは、夏樹も知っていた。
それでも俺に側に居てくれ、と頼んだ。
俺が好きやから、と。
夏「……………………ん、」
大分間が開いて、夏樹がごめんね、と呟いた。
丈「………え？」
夏樹は伏せていた顔を上げると、目を細めて微笑んだ。
夏「彼女さん、私のせいでたくさん嫌な思いさせてもうたよね、
うちが、丈ちゃんをずっと引き留めてたから」
少し茶色がかった瞳が揺れた。
丈「俺が、悪いねん
夏樹の手を動けんようにしてもうたのは、紛れもなく俺や」
夏「ううん、そんなことはどうでもええねん」
そう言うと、夏樹は大きく息を吸い込んで、一気に吐いた。
夏「今までほんまおおきに、
たくさん迷惑かけてもうてごめんなさい、」
彼女さん、待ってるんやろ？
早よ行ってあげて、
って、俺を再び促した。
丈「……………夏樹、」
夏「ええから、早よ行って」
最後は半ば強引だった。
部屋を出て聞こえた、すすり泣く声。
その声に一瞬足が止まったけど、
俺は迷わず走り出した。
夏「丈ちゃん…………
大好きやったよ…………」
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＠ゆぅり(プロフ) - Suzukaさん» ありがとうございます!!新作も是非見てください(*´п`*) (2015年11月30日 17時) (
レス) id: 56ccbf250a (このIDを非表示/違反報告)
Suzuka(プロフ) - 完結おつかれさまです！！ 丈くん担当の私にとってすごく最高の作品です！ハラハラドキドキ感、楽しめました！新作も楽しみにしてます^^* (2015年11月30日 17時) (レス) id: 8b6bff512c (このIDを非表示/違反報告)
＠ゆぅり(プロフ) - kuuu★さん» ありがとうございます!!私としても、書き上げることができてよかったです＾＾ (2015年11月28日 16時) (レス) id: 56ccbf250a (このIDを非表示/違反報告)
＠ゆぅり(プロフ) - えりりん♪さん» はい。新作はしげちゃんメインです。 (2015年11月28日 16時) (レス) id: 56ccbf250a (このIDを非表示/違反報告)
kuuu★ - ＠ゆぅりさん» 完結お疲れさまです！そしておめでとうございます♪本当にハラハラドキドキ、どーなることかと思ったけど、戻ってきてくれて良かったです^ ^とっても楽しかったです☆ (2015年11月28日 15時) (レス) id: c6b893c8c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：@ゆぅり
| 作成日時：2015年11月15日 11時
