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3人といたら私の取り合いになって訓練が一向に進まなくなると思った真希さんは、パンダさんが説教しているのを横目にありったけという言葉が似合いそうなくらいの呪具を広げてみせた。
剣、刀、短剣、斧、槍、あとはクナイや中国の武闘家が使っているような武器も豊富に揃っていた。どれもこれも年季が入っているようで、だけどしっかり手入れされていることが分かる。
使ってみろ、とのことで私がまず手に持ったのは"槍"。白い刀身の私の身長よりも長い槍。何故か不思議と手に馴染む、そんな槍だった。
「よし、まずはどれくらい力量があるか確かめる。お前の思うように構えてかかってこい」
にぎにぎと槍の重量や馴染具合を確かめていると、真希さんは満面の笑みで槍を構え私を挑発するように手を差し出してきた。
「はい!」
私は槍を振って身体の背後に槍を構え、走って真希さんのところへと行き槍を素早く振るう。
__カキン
金属音が鳴り響き、私の槍を受け止めた真希さんは更に目つきを鋭くさせた。
あ、来る。と私は感じ取り自然と腰を低くさせ振り下ろされる槍を迎撃し、続いて槍を引っ込めて向きと振り方を変えて真希さんの首近くまで持って行く。
が、直前のところで真希さんに止められた。
そして「ふぅ」と深く肩を上げて息をした真希さんは先程とは違う笑顔を浮かべて私を見る。
「お前、初心者じゃねぇだろ。この動きは初心者のそれじゃない。明らかに達観した、洗練された動きだった。どこで習った?悟か?」
「?....いえ、一応初めてですけど」
「はぁ!?マジで言ってんのか!?初心者っつったらあの憂太みたいな感じを言うんであって....」
真希さんに誰かに習ったか聞かれたけれど、武器を持つのも誰かと対面して戦うのも初めてなんだけどなぁ。なんて考えながら話すと真希さんは唖然とした後に、ボソと憂太みたいな、と言葉を零した。
あの憂太だろうか、と前々からの経験で察した私は真希さんに聞いてみるが
「真希さん、憂太ってあの黒髪の乙骨憂太ですか?」
「んあ?ああ、多分お前の言ってる憂太だな。知ってんのか?」
「はい。昔仲良くしてました」
「なんか呪術師に縁あるよな。そうかだからか。なるほどな」
どうやら私の知る憂太だったようで。また会えるのかと思うとなんだか嬉しくなった。
「そうと決まれば全部やるぞ。私も腕がなってきた。覚悟しろよな」
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ミルクティー - 悟がガチめの信仰者で驚き👀‼️棘が梵天マイキーみたいで、可愛かった (4月8日 19時) (レス) @page13 id: 12753137d6 (このIDを非表示/違反報告)
奇花琉 - 花ノ園さんのこの作品夢主のためにみたいな感じでめっちゃ好き…。めっちゃ面白い!! (3月3日 7時) (レス) id: d03b24d678 (このIDを非表示/違反報告)
レモン - りんごさん» わかりますぅぅぅぅぅ!!!!ヤンデレに依存してしまい従兄弟が泊まりに来てもこっちに集中してしまいます!(何言うてんねん) (2023年3月30日 2時) (レス) @page13 id: aff6f0444c (このIDを非表示/違反報告)
りんご - 久しぶりに読みに来たのですが、やっぱり大好きです!!!!!!ヤンデレさいごおいおうぉぁあ (2023年2月4日 23時) (レス) @page13 id: 64fcbccf7d (このIDを非表示/違反報告)
社会のゴミです - 凄いですね!この小説!性格と真反対なのも可愛い!すごく面白いです!これからも体調に気おつけて頑張ってください! (2023年1月24日 16時) (レス) id: aff6f0444c (このIDを非表示/違反報告)
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