〃 ページ13
数日後。
自分の部屋を後にして呪術高専の庭へと足を運ぶ。
私がこちらへ来て間もない頃に悟が一息つける場所がいる、と言って作らせた石造の池だ。
蛍が淡く光り輝いて、ぷかぷかと回っている蓮の花と優雅に泳いでいるコイが照らされて幻想的な雰囲気が漂う。
私はそこにしゃがみこんでふぅ、と息を吐いた。
明日の早朝から傑の約束を果たすために美々子ちゃんと菜々子ちゃんを迎えに行く予定だ。
傑曰く、私のことなら散々話しているから問題ないと言われてるけど、初対面だし少し緊張する。
それにみんなのこともあるし、
「どうしようかなぁ....」
「何をどうするのだ」
なんて呟いたら、また背後から声がした。
既視感があるなと咄嗟に後ろを向くと
「A。優れぬ顔をしているが思い悩むことでもあったのか」
「宿儺」
「そうだ。お前の宿儺だ」
穏やかな笑みを浮かべた宿儺が私を見ていた。
私が名を呼ぶと、目を細め浴衣の袖に手を入れながら私の方へゆっくりと歩いて来て手を引かれる。
「宿儺！濡れちゃうよ」
「たまには良かろう。今宵は風も生温いからな、足を少し冷やしてみるのも存外捨てたものではない」
手を引いた思ったら私のことを抱えて1人座れるくらいの石に腰掛け、2人で足を池の中に入れる。ひんやりと冷たくなっていく。
チラ、と宿儺を見てみれば横にタオルを置いていて、もうしばらく見ていれば小さな目の方と目が合った。すると笑っている宿儺と目が合う。
「そうさな、Aはあの者達を置いていったことに対して罪悪感でも感じているのか？」
「......！なんで分かったの？」
「愛しい者の表情を見れば分かるものだ」
「なにそれ、ふふ、変なの」
妙に機嫌がいい宿儺に私の頭にあった言葉を言い当てられて目を見開く。なぜか宿儺といると気が抜けてしまう。思わず笑ってしまった。
「贖罪などと思うな。惚れた方が悪いからな。Aは今まで通り好きに、自分の思うように生きろ。振り回してやった方が面白いだろう？」
「それは宿儺も入ってるの？」
「ああ、そうだ。俺は確かにお前を手に入れたいが、Aは花のように笑っていた方が愛い。だからそうしていろ」
「ありがとう宿儺、そうだったね。＿＿なんか吹っ切れたや」
「今からどこかに行くのだろ。どれ、俺もついて行く」
宿儺の大きな手と私の手が絡み合った。
終わり
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←これはきっと贖罪
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ミルクティー - 悟がガチめの信仰者で驚き👀‼️棘が梵天マイキーみたいで、可愛かった (4月8日 19時) (
レス) @page13 id: 12753137d6 (このIDを非表示/違反報告)
奇花琉 - 花ノ園さんのこの作品夢主のためにみたいな感じでめっちゃ好き…。めっちゃ面白い！！ (3月3日 7時) (レス) id: d03b24d678 (このIDを非表示/違反報告)
レモン - りんごさん» わかりますぅぅぅぅぅ！！！！ヤンデレに依存してしまい従兄弟が泊まりに来てもこっちに集中してしまいます！(何言うてんねん） (2023年3月30日 2時) (レス) @page13 id: aff6f0444c (このIDを非表示/違反報告)
りんご - 久しぶりに読みに来たのですが、やっぱり大好きです!!!!!!ヤンデレさいごおいおうぉぁあ (2023年2月4日 23時) (レス) @page13 id: 64fcbccf7d (このIDを非表示/違反報告)
社会のゴミです - 凄いですね！この小説！性格と真反対なのも可愛い！すごく面白いです！これからも体調に気おつけて頑張ってください！ (2023年1月24日 16時) (レス) id: aff6f0444c (このIDを非表示/違反報告)
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