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朝。今度は何も夢を見ずに私は目を覚ました。
私の右側が重く動けないなと思っていれば、恵が私を抱きしめて安心しきった表情ですやすやと寝ている。目元には隈、目尻には泣いた後がくっきりと浮かび上がっていた。
気づかなかったのが申し訳ないくらいに。時計を見ればいつもの起きる時間。恵の細い身体を左右に揺らす。
「恵、恵、朝だよ。起きて」
「ん....んん゛、A、さん」
「そうだよ、Aだよ。今日も朝早くから訓練だから頑張って起きよ」
「ああ....朝起きて、Aさんが隣にいるなんて幸せだ。ありがとうAさん」
恵は長いまつ毛を揺らして、薄らと目を開き私を確かめるように抱きしめてから起き上がりふわりとした人懐っこい笑みを浮かべた。
朝から嬉しそうで良かったと思い、恵の頭を数度撫でて立ち上がる。
「よし!着替えてご飯食べてから運動場に行こ!昨日作り置きしてたのがあって、恵も昔美味しいって言って食べてくれたやつなの!」
「それは楽しみだな」
「でしょ?私はシャワー浴びてくるから先着替えてて」
私の言葉にコクリと頷いた恵は立って自分の着替えを取りに行った。朝の状態は大丈夫そうだ。
恵が待ってる間にシャワー浴びて制服に着替えて、昨日真希さんから預けられた槍を持って恵と共有スペースに向かう。
「ああー!伏黒!私のAさんとなんで一緒にいるのよ!ズルい!」
「つなまよー!しゃけー!」
「おっす!A、おはようさん」
「よぅ、おはよう」
「おはようございます、真希さんパンダさん。おはよう。喧嘩しちゃダメだよ野薔薇、棘」
するとそこには真希さん、パンダさん、棘、それに野薔薇の姿があって、全員揃っているようだった。
テーブルに何も置いてなくて食べた形跡がなかったので、ご飯食べたのかなと少し疑問に思いシンクの中を覗いたが何もない。私は真希さん達の方へと振り返る。
「皆さん、朝ごはんまだですか?」
「ああ。棘と野薔薇からAの手料理が美味しいだなんだ、食べなきゃ損する時なんとか力説されてな、仕方なく待ってたんだよ」
「ゴメンなぁ。先食べようって言ったんだが、聞かなかった。俺も手伝うから作ってくれるか?俺もちょこっと興味あるしな」
「ええ、是非。お口に合うといいですけど」
まさかここに来て、みんなで料理をするなんて思ってなかった。楽しかったな。
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ミルクティー - 悟がガチめの信仰者で驚き👀‼️棘が梵天マイキーみたいで、可愛かった (4月8日 19時) (レス) @page13 id: 12753137d6 (このIDを非表示/違反報告)
奇花琉 - 花ノ園さんのこの作品夢主のためにみたいな感じでめっちゃ好き…。めっちゃ面白い!! (3月3日 7時) (レス) id: d03b24d678 (このIDを非表示/違反報告)
レモン - りんごさん» わかりますぅぅぅぅぅ!!!!ヤンデレに依存してしまい従兄弟が泊まりに来てもこっちに集中してしまいます!(何言うてんねん) (2023年3月30日 2時) (レス) @page13 id: aff6f0444c (このIDを非表示/違反報告)
りんご - 久しぶりに読みに来たのですが、やっぱり大好きです!!!!!!ヤンデレさいごおいおうぉぁあ (2023年2月4日 23時) (レス) @page13 id: 64fcbccf7d (このIDを非表示/違反報告)
社会のゴミです - 凄いですね!この小説!性格と真反対なのも可愛い!すごく面白いです!これからも体調に気おつけて頑張ってください! (2023年1月24日 16時) (レス) id: aff6f0444c (このIDを非表示/違反報告)
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