第七訓 喧嘩はグーでやるべし ページ10
＿ガゴォン!!
と派手な音を立て、白煙が立ち込める。
が、そこに旦那の姿はなかった。
銀「刃物プラプラ振り回すんじゃねェェ!!」
いつの間にか旦那は背後に回り、土方さんの頭を蹴飛ばした。
いいぞ、もっとやれ〜！頑張れ旦那！←
銀「!!」
しかし、ふっ飛ばされた土方さんは空中でスパンっと、
旦那の右肩を下から斬った。
＿ドシャア！
そして、旦那も土方さんもお互い屋根の上で倒れた。
＿ガラ…ガラ…
「なんだ？オイ。
銀さーん、てめっ遊んでたらギャラ払わねーぞ」
銀「うるせェハゲェェェ!!
警察呼べ、警察!!」
土方「俺が警察だよ」
土方さんがムクっと起き上がりながらそう言う。
銀「あ…そうだった。
…世も末だなオイ」
土「ククク、そーだな」
完全に悪役の立ち位置ですぜ土方さん。
…ん？って事は、もしかしなくても王道のアレですかィ？
最後の最後で、悪役は主人公に負けるって奴ですかィ？
いや待て、そもそもこの小説の主人公は俺だ。
…まァ、土方さんが負ければなんでもいいか←それでいいんかい
頑張れ土方ー、お前なら出来るはずだ土方ー。
土(…なんかバカにされている気がする←
それよりも、……なんだか読めねェ野郎だな。
近藤さんの時は汚ねェ手を使ったって聞いたが、
そんな素振りも見せねェ。
それどころか貸した刀さえ、使おうとしやがねェとは。
まさかコイツ、自分が命狙われているにも拘らず、
俺を気づかっているってのか。
舐めてんのか…)
さァ、旦那。どうするんですかィ？
＿カッシャン…
何を思ったのか、旦那は遂に刀を抜いた。
土(フン…いよいよくるかよ)
土方さんは旦那が刀を抜いたのを見計らい、ダッと駆け出した。
土(命のやりとりといこうや!!)
真正面から突っ込み、旦那に斬りかかる。
土「うらアアアアア!!」
＿ザンッ!!
土(斬った!!)
…いや、違う。
斬ったのは、布切れでさァ。
土「!!」(なに!?)
旦那は土方さんが斬った布切れの死角に紛れ、
土方さんの懐に入り込んでいた。
土(かわされた、斬られ…)
＿ザゥンッ!!
＿カラン…
旦那が斬ったのは土方コノヤローではなく、
土方さんが振り回した刀を真っ二つに折った。
…ッチ。←舌打ちすなぁ
銀「はァい、終了ォ」
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作者名：とおかんや | 作成日時：2020年11月10日 16時
