第五訓 喧嘩はグーでやるべし ページ8
『なんですって?斬る!?』
俺は土方さんと共に市中見回りをしていた。
ついでに隊士達が町中に張った、
白髪の侍への果たし状のチラシも回収していた。
この件をどうするのかと土方さんに聞いたら斬るの二言だァ。
土「ああ、斬る」
『噂の、白髪の侍ですかィ』
土「真選組の面子ってのもあるが、
あれ以来隊士どもが近藤さんの仇を取るって殺気立っている。
でけー事になる前に俺で始末する」
『土方さんは二言目には「斬る」で困りまさァ。
古来、暗殺で大事を成した人はいませんぜ』
土「暗殺じゃねェ。
堂々と行って斬ってくる」
『そこまでせんでも、
適当に白髪頭の侍見繕って連れて帰りゃ、
隊士達も納得しますぜ』
そう言って俺は、
丁度近くにいた白髪のジーさんを差し出す。
『これなんてどーです。
ホラ、ちゃんと木刀もちな』
土「ジーさん、
その木刀でそいつの頭かち割ってくれ」
『パッと見、さえないですが。
メガネをとったら、ホラ、
武蔵じゃん』
土「何その無駄なカッコよさ!!」
『マジで殺る気ですかィ?
白髪って情報しか、
こっちにはないってのに』
さっきのジーさんに手を振って見送りながら、話を戻す。
土「近藤さん負かすからには、タダ者じゃねェ。
見ればすぐわかるさ」
?「おーい、兄ちゃん危ないよ」
土「!」
そんな気怠そうな声がしたと思ったら、
土方さんの上から木材が落ちてきた。
土「うぉわァアアアァ!!」
_ガシャン!
間一髪土方さんは避けて、木材の下敷きにはならなかった。
…ッチ。←
土「あっ…危ねーだろーがァァ!!」
?「だから危ねーっつったろ」
土「もっとテンション上げて言えや!わかるか!!」
さっき危ない、と土方さんに忠告したヘルメットに集英建設と書かれた、
建設会社の作業員らしき男が梯子を下りてきた。
?「うるせーな。
他人からテンションのダメ出しまでされる覚えはねーよ」
そう言うと、そいつは被っていたヘルメットを外した。
土「あ”あ”あ”あ”あ”!!
てめーは…池田屋の時の…」
天パ「?」
土「そぉか…そういやてめーも銀髪だったな」
天パ「…えーと。君、誰?
あ…もしかして多串君か?
アララすっかり立派になっちゃって。
何?まだあの金魚デカくなってんの?」
銀髪の旦那は、
池田屋の時に土方さんとやり合ったことを忘れたのか、
土方さんの肩に手を置いて、
勝手に土方さんを多串君だと勘違いしてた。
…多串君って何者ですかィ←そこ!?
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作者名:とおかんや | 作成日時:2020年11月10日 16時