がんばるおじゃんぷのりょうすけくん。

ストロー ページ44

ar side

大「レシート番号415番、アイスコーヒーグランデサイズご用意しております」

大学の友達に誘われて応募したカフェのバイト。
最初はそんなん柄じゃないって思ってたけどコミュ力と愛され力だけは備わってるから意外と合ってるのかも。

大「ありがとうございます」

「つぎモバイルオーダーお願い」

先輩から頼まれオーダー表を見ると

大「あ。いつもの人っすね」

こういうのの名前を覚えるのってあんま良くないよなと思いつつも、いつもこの時間に同じカフェラテを頼む“りょう”って人。

「あ〜あのイケメン君ね。お客さん並んでるからなる早でお願い」

同じ時間、同じオーダーで現れ、受け取る数十秒だけ向き合うあの顔立ち。男の俺からしても整ってる顔だと思う。

大「アイスのカフェラテ、ショートサイズ、ストロー付けて…はい、送信」

ストローはオーダー表に書いてないけどいつも取って帰るのを見て、今日用意してみることにした。


用意ができた通知を送信すると、まもなくやってきた彼。

スマホの注文画面をスっとだされ、まあわかってるけどねと思いながら商品を渡す。

大「おはようございます。ストローお使いでしたらこちらお持ちください」

ちょっとだけ「ありがとうございます」って言葉での見返りを期待して言ってみた。

“りょう”さんはほんの少し眉を上げ、ストローから俺へと目線をあげると会釈だけして去っていった。

大「あらま。」

要らなかったかのかと思ってその先をチラ見すると

大「やっぱ使うんじゃんかよ」

ストローの封を破りカップにさしている彼の姿。

次こそは言わせてやるからな。

という謎の気合いを入れた。

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