いちごミルク ページ37
ar side
走って戻る時も律儀にこっちを見ていた彼。
大「俺もってるから。飲みな」
ひとまずこれで大丈夫だろう。飲み終わるのを待って落ち着いたら次の電車に乗ろう。
そんなことを考えながら、ちゅ、と少しずつ吸い込む様子を見てふと思い出した。
“私はですけど、ヘルプマークをみて助けてもらった時、名前を呼んで声をかけ続けてくれたのがとても安心したんですよね”
いつも寝ていた1年の時の座学にたまたま来ていたゲストスピーカーという名の当事者の話。疾患名は違ったと思うけど。
大「飲めてるよ。…山田くん」
大「山田くん、血糖測るの持ってる？飲み終わったら測ろう。」
下を向いていた目線がゆらっと俺の顔を捉えた。一丁前に話しかけてみたけど急に心配になってきて
大「てか俺勝手に山田くんって言ってるけどあってるよな？」
なんて慌ててしまった。
涼「ふふ。やまだです。プリントとか眺めてることあったし。それでわかったのかなって思ってました。血糖あがったと思いますけど。やってみます」
図星。
大「10分くらいだったけど、落ち着いてきたんじゃない？測れるなら測りな」
照れ隠しで彼の手技を手伝うようにケースを持った。
ぷちっと穿刺された指に当たった機械が音を鳴らすのを待つ。
ピー
涼「お。」
大「91か。まあ良さそうだね」
涼「あの…」
なんでお前は若くして血糖値の善し悪しがわかるんだと言いたげな顔。
大「あ、俺この先の医療大なんだ」
涼「お医者さん？」
大「まあな」
涼「俺お医者さんに助けて貰っちゃたんだあ、えへへ。ありがとうこざます。えっと…なにせんせい？」
ここに来て、人の名前は盗み見といといて名乗ってないことを思い出した。
“訪室したら自分から挨拶すること”
こんなん医療者の基本だってのに。
大「あぁ…有岡です。」
涼「ありおかせんせ。ありがとうこざます」
初めて見た山田くんの笑顔。
大「次の電車にのろう。君も同じ駅でしょ？北高の制服。」
涼「君、じゃなくてりょうすけ。俺の主治医もそう読んでますよ、せんせ。｣
大「俺もまだ先生じゃないけどな｣
こんなツンケンしてて医者やれんのかって時々自分でも思うけど。
“まもなく、11番ホームに医療大方面〇〇ゆきの列車が到着します”
大「いこう、…涼介」
医者と患者でもない、先輩後輩でも、単なる乗客どうしでもない、新しい友達、ができた。
fin
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こた(プロフ) - 碧生さん» 確かにカニアレルギーでしたね忘れてました。不覚。誤解が解けてお互いよかった。お店の仕様は分かりませんが、もしまだアレルギーがあったとしても本人ももう30ですし(認めたくない)しっかり把握してると思います。でも、ナイス心配です👍自分は気づかなかった。 (6月27日 1時) (
レス) id: 00ff7b069b (このIDを非表示/違反報告)
碧生(プロフ) - こたさん» 表現が悪かったです。山田くんは（今はもう大丈夫とどこかで見た気がしますが)蟹のアレルギーがあったので、お寿司屋さんで何か分からないものを食べたら危なくないかな〜心配だよ、と言う意味でした。誤解をうむ書き方で失礼しました (6月27日 0時) (レス) id: 387004cb32 (このIDを非表示/違反報告)
こた(プロフ) - もし解釈が違うようでしたら教えてください。 (6月27日 0時) (レス) id: 00ff7b069b (このIDを非表示/違反報告)
こた(プロフ) - 得体の知れない寿司ってどういう意味ですか？もし最近あった迷惑客の件とかならお店側は悪くないしあの事件以降より対策もしっかりしてるはずです。それに山田くんのリクエストで寿司になったのでは？ (6月27日 0時) (レス) @page31 id: 00ff7b069b (このIDを非表示/違反報告)
渚(プロフ) - リクエストいいですか？がんばるおじゃんぷくんで出していた知念くんの肉離れの山田くんVer.が見たいです！更新頑張ってください！！ (2019年3月24日 21時) (レス) id: 16706f39f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：碧生 | 作成日時：2019年2月9日 0時
