いいんですか？ Ren.N (ページ31)

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最近ずっとモヤモヤしとるわ。

頭ん中ずうっとAの顔がぐるぐるぐるぐる。殴られたなんて聞いたら、心配で仕方ないやろ…。

ってか、誰に殴られたん？いくらなんでも知らん人は殴らんよなあ。だったらDVか？なんやろなあ。あー、分からん…。

カウンセラーからAの過去聞き出そうとしても “守秘義務なんで ” って言われてもうた。まあ、当たり前やな。

主治医に相談しても、まだ “ カフェインの摂りすぎ ” の一点張りや。

平の看護師の俺の言うことなんて、誰もまともに取り合ってくれん。

誰がAのこと気にかけてくれるん？

このまま何も解決しないで1人で苦しんで、A自身はそれでいいと思ってるんやろか？

俺は嫌や。

Aの笑顔が見たい。看護師の癖に立ち入りすぎやな。でも、Aの笑顔が見れればそれでいいんや。

それなのに、そんなことひとつ俺にはできない。なんだか疲れてもうた…。

『こんちは。ながせです。

そろそろAと喋りたいわ。
俺話したいこといっぱいあんのになあ。

Aの寝顔見てるとこっちまで眠くなってくるわ。
今日は早く寝よー。

じゃまたー。』

晴れ渡った空のデザインが施された、可愛らしいレターセットも、もう大分減ってきた。

「お仕事お疲れ様です。
私と話したいだなんて、どうしちゃったんですか？
永瀬さん相当疲れてますね。
夜更かししないで早く寝て下さい。

最近暖かくなってきましたね。
永瀬さんが大阪に戻る日も、着実に近づいていますね。」

今日は手紙にこんなことが書いてあった。気づけば、俺がこの病院を去る日は、もう一週間後に迫っていた。