今日:1 hit、昨日:2 hit、合計:29,564 hit
小|中|大
30 ( R ) ページ30
『 A!』
息を切らしながら、病室に駆け込んだ。…はいいものの、やっぱりAは今日もスヤスヤ眠っている。
殴られたなんて、心配で心配で、気が気じゃなくて 走って来たっていうのに。そんな俺の気も知らないで。
なんて、俺だってAの気持ちなんも知らんかったのに。
『 まだ赤くなってんな。』
赤く腫れた頬をそっとなぞる。
やっぱりまだ痛いんやろか。綺麗な寝顔を歪めて 痛そうな顔になる。
『 ごめんな。』
俺にはなんもできん。昼夜逆転してもうたから、話す機会もなくなったし。俺にできることといえば、せいぜい点滴を変えるくらい。
それと、手紙を書くことくらいや。手紙だって俺の方が元気もらってばっかで、Aの力になれてるのかも怪しい。
俺はAが苦しんでるのを知ってんのに、Aのためになんもできん。そんな自分が不甲斐なかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
176人がお気に入り
176人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:白 | 作成日時:2019年4月20日 12時