ヤンキーだけど後輩には甘い【HQ】

ピカピカの1年生 ページ3

・


「…おはよー」




朝練開始ギリギリの時間。


寝坊してまだ覚醒してない頭で体育館に入れば、可愛い愛しいオレンジ頭が駆け寄ってくる。




「先輩おはようございます！めずらしくゆっくりだったから今日来ないのかと思いました…」




「翔陽おはよ。ちょーっと寝坊しただけ。俺来なかったら寂しい？」




翔陽の肩に腕を置いて顔を覗き込めば、至近距離で目が合う。




「先輩が部活にいないのは嫌です！おれ、先輩のこと、だ、大好き、なので…」




「可愛いかよ」




そう言って赤面する翔陽はうちのクラスの女共より百倍可愛いわ。


見習え？マジで。


真冬にスカート短くして「さむーい」とか言ってるてめぇらよりクソ寒い中半袖で「先輩今日も部活頑張りましょうね！」って言ってくる翔陽のが何百倍も可愛いからな。





「俺も翔陽大好き」



「ヘァッ」




ちゅ、と頬にキスしても余計に顔を赤くするだけで嫌がらない翔陽、マジ可愛い。




それに舌打ちする飛雄も、若干睨んでくる蛍も尊い。



素直に言ってくればいいのに。





「蛍も、おはようのキスして欲しいの？」




「はぁ！？べ、別にそんなんじゃ、」



「はい、おはよ」




顔を背けた蛍の襟を引き寄せ、無理やりキスする。


あ、ほっぺにだからな。




「別にいつも嫌がんないじゃん。蛍だって俺のこと嫌いじゃないだろ」




「……嫌いじゃ、ないですけど」




蛍の「嫌いじゃない」は、結構好きに近い。



それで上機嫌になった俺は他の後輩にもキスをして回り、いつも以上にマネ業に励んだ。

練習試合とかめんどくせぇ→←設定

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す