116: 理性との戦い ページ16
俺は、お風呂場へ入り、シャワーのハンドルをひねった。
ふと、昨日の出来事を思い出してしまった。
シャワーの音だけ響き渡る…………
唇に指でなぞる……
彼女の感触が…まだ残ってる。
柔らかい……。
そのまま指を身体にそって………
ゆ…っくり下へ………
一瞬…跳ねあがる快楽が
昨夜の出来事を更に思い出してくれる。
何してんだか………俺は。
すると………
突然お風呂場の扉が開いた。
ビックリして振り向く前に
誰かに抱きつかれた。
誰なのかは、分かっている。
一人しかいない。
Aだ。
俺は、つい少し跳ねてしまった。
さっきまで思い出してたから、敏感になってるらしい。
肌が柔らかい………
和也「ダメだよ……。」
A「……………」
和也「俺も男なんだからね？」
A「いいです。」
何を言っちゃってるんですか？この子は。
記憶がないはずなのに。ダメだよ……
理性ってものが………。
このままだと軽い男に思われちゃう……
頭の中がかき乱される
身動きが取れなくなっていた。
俺は彼女の腕をほどき、ゆっくりと振り向いた。
彼女の頬に手をあてる。
君は、とても綺麗で……
今にも吸い込まれてしまいそうだった。
近づく二人の唇が
妙に緊張してしまう…
どっくん……どっくん………
心臓が身体中に鳴り響く。
和也「ダメだ！！」
A「え？」
俺は寸前で止めた。
和也「や……やっぱ、後でね！」
A「あの………」
緊張を隠すように
急いでお風呂場から出ていった。
扉の外へ出ると、その場で座り込んだ。
何、やってんだか。俺は。
理性が効かない自分と
逃げてしまった自分が恥ずかしかった。
好きで………好きで……しょうがないんだ。
君を深く愛してしまっている。
胸が苦しい。
すると、突然インターホンが鳴った。
俺は急いで身体を拭き、腰にタオルを巻いてインターホンのボタンを押した。
画面に映っていたのは
翔ちゃんだった。
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作者名：さくらもち | 作成日時：2017年7月12日 17時
