スナックお登勢 ページ10
「おいチャイナ娘、ここは食べ放題じゃないんだよ」
額に青筋を立てながらお登勢さんが言うと、神楽ちゃんはケロッとした顔で「そーだったアルか?」と言いつつ、炊飯器からご飯をむしゃむしゃ頬張る。
私たちは、涼しい室内を求めてスナックお登勢にやってきた。
期待通り、まだ開店前ではあるが店の中はクーラーが程よく利いて気持ちがいい。
未だ、ご飯を平らげ続ける神楽ちゃんにお登勢さんはため息をつきつつ、諦めた様に私の座っている席の前に立った。
「・・で、アンタがあの銀時の、ねェ」
煙草をフゥっと吐き出した姿が様になるお登勢さん。
アニメや漫画で見るよりも、とってもカッコイイおばあさんだ。
灰皿を差し出すと、気が利くねェとお登勢さんは薄ら笑った。
「ソレヨリオ前、ココイラデハ見ネェ顔ダナ!」
と、この説明は割愛だ。
たまがさらりと説明してくれた。
「異世界から来て銀時とねェ」
お登勢さんは特にびっくりする様子もなく、また、煙草を一服。
「そういや、この前来た客も同じような話をしていたさね」
「え?」
「何でも、現実世界から来た女を狙っているだのどうの、お前さんのことじゃないかい?」
ゾクゾクっと背中に嫌な予感が走る。
神楽ちゃんと新八くんも顔を見合わせた。
確実に私のことだ。
「それ、いつの話ですか?」
途端に切迫した空気にお登勢さんは眉を顰めながら、2、3日前だったかね、と。
「A、今すぐ帰って銀ちゃんに言うアル」
「えっ、ちょ、神楽ちゃん!?」
神楽ちゃんはスタッと立ち上がって、私の腕を引く。
新八くんは、バタバタと出て行く私たちの代わりに一礼して、こうして私たちはその真上にある、万事屋銀ちゃんに駆け戻ったのである。
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微糖。 - 面白いです。続き待ってます。 (2020年5月31日 20時) (レス) id: 7154107f34 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい - 今までで1番好きな物語です!更新楽しみにしています。 (2020年3月29日 11時) (レス) id: cd8046c6bb (このIDを非表示/違反報告)
神阿(プロフ) - ソマリさん» ありがとうございます。これからもよろしくお願いします (2020年2月16日 22時) (レス) id: 9618de47fb (このIDを非表示/違反報告)
神阿(プロフ) - 淋さん» ありがとうございます。楽しんでいただけているようでうれしいです (2020年2月16日 22時) (レス) id: 9618de47fb (このIDを非表示/違反報告)
神阿(プロフ) - モンスターエナジー愛好家さん» 更新長らくお待たせしました。ありがとうございます (2020年2月16日 22時) (レス) id: 9618de47fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:神阿 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kamiamatome/
作成日時:2017年11月23日 21時