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「…藤井君？」

「確定ではないけどさ、犯行時の状況からして中間さんに何かすることが出来たのが、重岡さんが1番…」

「待って藤井君、私は重岡さんじゃないと思う」

重岡さんが話している時の様子

自分を責めて涙を流し、中間さんを絶対助けたいと話す彼からは犯人だとは考えられなかった

「重岡さんの様子を見て犯人には見えなかった」

「確かに流星の考え方も大切、だけどすぐに犯人と疑うのはどうかな」

「あれ濵ちゃんいつの間に居たの？」

後ろを振り返れば、濵田さんがこちらを見て微笑んでた

「ああごめん照史、さっきまで他の部署の人と話してて」

「…濵田さん」

「それに今は被害者の命が関わっている、1番大切なのは被害者を助けることだと思う、犯人も探ることも大事だけど」

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事件について調べたけど、情報が少なく確定的な証拠は掴めなかった

そして気づけば外は真っ暗になっていた

私がお手洗いに向かおうと廊下を歩くと、隅で煙草をふかす濵田さんが居た

「あぁ、Aちゃん今日1日お疲れさん」

「濵田さんこそ…私は特に何も出来なくて、今日はありがとうございました」

「そんなことないよ、今日の流星への返し方よかった」

「えっ、会話みんな聞いていたんですか」

私が驚いて顔を上げると、濵田さんはニコニコしながらこちらを見てきた

「確かに重岡さんが犯人の可能性もある、けど重岡さんの話したことが本当なのに犯人と疑われたらどう思うかな」

「元々ショックなのに、余計自分を責めて警察への信用もなくなっちゃいますよね」

「その通り、確定的な証拠がないのに疑うのは違うな、流星のように色んな視点から考えるのも大切だけど」

煙草をふかしながら話す濵田さんは、色っぽくてかっこよく見えた

今日1日1番忙しくて大変だったのは濵田さんなのに、こちらもよく見ていて余裕があって尊敬をする

「あ、今日取り調べに連れてってたのはこれが理由ね、Aちゃん気持ちを読み取るのが上手いから」

「えっ、」

「ふふっ今日は1日お疲れさん、後は俺と照史でちょっと残るから、3人は帰ってええよ」