霞んだ世界で

7話 ページ8

善逸はうるさいけど、一緒にいて楽しいからもう終わるまで一緒にいようかなと思う

だって、1人は心細いからね、私が

川辺に移動して、2人で座りながら話していると、急に善逸が変なことを言い出した





善逸｢Aちゃんは聞いてて心地いい音がする｣

A｢心地いい音…？｣





聞けば善逸は普通の人より耳がいいらしい。確か炭治郎は普通の人より鼻がいいって…





A｢もしかして、音で感情が分かったりするの？｣

善逸｢え？うん、分かるよ……気持ち悪い？｣

A｢ううん！びっくりしてるだけ！耳がいいと小さな声も聞き逃さないで聞くことが出来るから凄いね！｣

善逸｢…ありがとうAちゃん｣





叫んでばっかだった善逸も落ち着いて話せるようで、なんだかまともに見える

ありがとうと言った善逸の顔は結婚してくれと泣き叫んでいた善逸とは全く別人に見えた。目尻が下がってとっても優しい顔だった





A｢ねぇねぇ、私って具体的に言えばどんな音するの？｣

善逸｢え？うーん……迷いがなくて澄んだ音…かなぁ｣






聞いたところで結局私はよく分からなかったけれど、心地いいって言われたから気分は良かった

それが分かったのか善逸はまたあの優しそうな顔で微笑んでいた

…だけどそれも最初だけで、少し経てば可愛い！結婚して！とまた叫び始めた

結婚するのは無理だけど、可愛いって言ってくれてありがとうと言えば嬉しそうにどういたしましてって言ってくる

…………あれ、なんだろう



可愛い…







A｢…さっき思ったんだけど善逸って、叫ばなければめっちゃかっこいいと思うなぁ｣

善逸｢えっ！？カッコイイ！？俺ってカッコイイの！？｣

A｢でもやっぱ叫ばなきゃ善逸じゃないよね｣

善逸｢え、それどういう意味！？｣








初対面からこんなだけど、善逸が静かになったら逆に気持ち悪いような感じがしてくるような気がする

さっき聞いたけど、善逸は雷の呼吸を使うらしい。雷ってとっても早いイメージがあるけど実際どうなんだろう

善逸が使っているのを全く想像出来ないけど、きっとカッコイイんだろうなぁ


だって、あの状況で他者のことを考えて行動出来る人なんてそういないだろうから

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