霞んだ世界で

13話 ページ15

あーだこーだ師範と言い争いをする。まぁ、口で勝てるわけもなくいつも言いくるめられてしまうけれど




｢カァー、カァー、任務ー！！鳴凪A！！北西ノ森ニテ隊士ガ消息不明ニナッテイル！！｣





どこからともなく現れたのは最終選別の時の鎹鴉。そういえば今までどこにいたんだろうなと思ったけれど、まぁそこはどうでもいい

頭の上に乗っている私の鴉を掴んで胸の前に持ってきて目を見る






A｢よし！お前の名前は金子だからね！銀と金違いですよー師範ー！｣

金子｢私ノ名前ハ蓮ダ！！変ナ名前ヲツケルナ！！｣

A｢変な名前じゃないよぅ。ねぇ？銀子｣

銀子｢フンッ！金子ナンテ変ナ名前！！｣







師範の鎹鴉は雌の銀子。ここに来た時から何かと私の頭をつついてくる師範が大好きな鴉だ

もちろん私の方が師範への愛は大きい。でもそれでたまに銀子と喧嘩をする。傍から見れば奇妙な光景だが、そこだけは譲れん

でもたまに、師範のことで意気投合するから憎みに憎めないやつ


というか、金子が変なら銀子も変じゃん。銀か金かの違いじゃないか


どうしてこんなにあたりが強いんだろうこの2人は……あ、2匹は






無一郎｢別に名前なんてどうでもいいでしょ。それより、指令が来てるんだからさっさと着替えて行きなよ｣

A｢えぇ…！一緒に行きましょうよ師範ー｣

無一郎｢初めての任務の時は僕も1人だったよ。僕とおそろいだね｣

A｢着替えてきます！！｣







後ろから馬鹿な子ねとか聞こえるけど言ってるの絶対銀子でしょ。どうして私は鴉に自分より下だと思われてるんだろう


地味にショック……


我ながら単純だと思うけれど、師範と"おそろい"という言葉は胸に響いたのだ。そして私は思い出したのだ……自分の隊服がどんなデザインだったかを……

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